日本ユニシス社長 社員活性の秘訣 2/5
日本ユニシス・平岡昭良社長に聞く「飛躍のアルゴリズム」。2つ目のキーワードは「必要なことは柔軟な発想。役員会にロボットが“代理出席”?」。
平岡氏の持つ“斬新なアイデア”と結びついたビジネスとは?
■海外にいながら操作できる
――役員会にロボットが“代理出席”とありますが、どういうことでしょうか?
普段は社長室にロボットが常駐していますが、山形県の鶴岡に研究所を作りまして、そこの駐在員として私のロボットが出張している最中で、残念ながらいまはいません。そこで、どういうロボットなのか映像を用意したのでご覧下さい。
セグウェイにiPadが載っているようなロボットなのですが、実は、私はもう1台の別のiPadやスマホでこのロボットを操作しているんですね。それから、海外にいる方が私のロボットを操作することもできます。このロボットを使えば、私の会社に海外にいながら入れるんです。
先ほど“役員会に出席”とありましたが、役員会は月曜日の午前中に開かれるんです。実は私、海外にいたんですけども、そうすると、土曜か日曜に帰ってこないといけませんよね。帰らずに済ます方法はないかということで、海外のホテルからこのロボットを操作して役員会に出てみました。
みんなビックリしていましたが、監査役からはこれは出席になるのかと(笑)。途中でネットワークが、ちょっと切れたこともあり、議事録上は「欠席(ロボットで参加)」という扱いになりました。
■ロボットはコミュニケーションツール
――なぜロボットを代理出席させようと思ったのですか?
もともとはロボットというのがコミュニケーションのツールとして、テレビ会議とは違う参加型のものになるなということで、去年の1月にシリコンバレーで衝動買いしたものです。
これが、飛行機に載せられるのかどうかでサンフランシスコ空港の受付で大騒ぎになりまして。航空会社の人も載せていいのかわからないということだったんですが、「お預かりさせてください」という対応をいただきロボットを預けたところ、結果、次の日の飛行機で届きました。
航空会社の人に「どうしてこんなに親切にしてくださるのですか?」と聞いたら、「これからこんな人が増えるんですよね」と。おかげで海外からも役員会議に出られるので、無理して帰国しなくても済むようになりました。
■夢は“教えてくれるスマホ”
――そういった社長の斬新なアイデアがビジネスに結びついたことはあるのですか?
実は、私の部屋はスマートフォンで鍵を開閉できるようになっています。物理的な鍵はないんです。しかも、スマートフォンで開けたり締めたりしたという情報がコンピューターであがるようになっています。今でいう“クラウド”にあがるのですが、それでログがとれます。
それと、“合鍵”をメールやLINE、メッセンジャーを使って時間を指定してお渡しすることができます。例えば、「私の部屋を明日の1時から3時までお使いください」とメールで“合鍵”を渡すことができるんですね。指定の時間だけですので、時間を過ぎるともう使えなくなります。鍵を開閉するので本当に使ったかどうかもわかります。
「Akerun」という仕組みなんですが、これはベンチャーがやっています。それと私たちと三井不動産と一緒に、「みんなが使うコラボレーションスペースの管理に使おう」ということで、それをプラットホーム化しようとビジネスを始めています。
そしてさらに夢はですね、家を出て鍵をかけたときに「雨だから傘持った?」とか「急がないと遅刻するよ」とか教えてくれるようになることです。私は会議がたくさんあるので、会議室を忘れてしまうんですね。そのとき、部屋の鍵をかけたら会議室を教えてくれたら…そのようになっていくと便利だなと。