日本ユニシス社長 社員活性の秘訣 1/5
キーワードを基にビジネスのヒントを聞く日テレNEWS24・デイリープラネット「飛躍のアルゴリズム」。今回のゲストは日本ユニシス社長・平岡昭良氏。社員の活性化の方法とIT企業の未来について聞く。
平岡氏は1956年生まれの60歳。早稲田大学を卒業し、日本ユニバック(現:日本ユニシス)に入社。システムエンジニアからスタートして、長らく営業に従事し、情報システム部門、マーケティング部門の責任者などを経て、ことし4月に社長に就任。
ひとつ目のキーワードは「ITベンダーの危機!受注を待つスタイルでは生き残れない。ビジネスをつないで新しいサービスを生み出そう」。その真意とは。
■答えのないものを作っていく
――受注数が減ってきているのでしょうか?
実は、IT業界の足元は堅調で案件は多いんです。ただ世の中がどんどん変わっているのは事実でして、今までの受注スタイルはお客様が「こういうものをやりたい」「こういうものを作って欲しい」という仕事が多かったのですね。
ただITそのものは、どんどん進化して当たり前になってきたときに、どうやって競争優位を作っていくか。あるいは、社会の課題を解決していくか。そういった答えのないものを提供していかなくてはいけない時代が変わってきた。
そういう面で、従来型の頼まれて作るという仕事、これは非常に大事ですのでしっかりやっていきます。しかし、そればかりではなくて、やはり社員に余裕を持たせて未来に向かった仕事に取り組んでもらいたいというふうに思っています。それをやらないと、今のスタイルではだんだん厳しくなっていくのではと思っています。
――社員に余裕をというのは具体的に、数値目標はあるのですか?
去年から、中期三か年計画を始めていますが、その間に30%の生産性をあげようとしています。30%というと、ちょっと工夫しただけではあがりません。仕事のやり方とか、時間の使い方そのものを劇的に変えていく。そんな取り組みにチャレンジしてもらっています。
――取引としましてはBtoB、いわば企業間取引が中心となるのでしょうか。
そうですね、いままでは様々な業界のお客様からご要望をいただきやる企業間取引が中心だったのですが、最近では、コンビニで売っているプリペイドカードのように、消費者も意識したようなビジネスというものが増えてきています。
■ベンチャー投資に力を入れるワケ
――IT業界は激動の日々ということですが、日本ユニシスさんはベンチャー投資にも力を入れていると思います。これはどういった狙いがあるのでしょうか?
どこにも答えのない新しいものを作っていくとなると、自分の会社だけではなかなか難しいと思っています。そういうところで、ベンチャーとかスタートアップが、新しいテクノロジーで、新しいビジネスモデルを作っていく。
そこに私たちと一緒にやることによって、それをより良いものにしたり、より加速ができたり、そんな意味合いでベンチャーの人たちとパートナーシップを結んでいます。世の中ではこれを“オープンイノベーション”といういい方をしていますが、そこにも積極的に取り組んでいます。