G20共同声明 国際協調の重要性訴える
福岡市で開かれていたG20=財務相・中央銀行総裁会議は、国際協調の重要性を訴えた共同声明を採択して閉幕した。
米中の対立が一段と深まり、世界経済が冷え込むリスクが高まるなか、G20は「さらなる行動を取る用意がある」と協調を打ち出した。
麻生財務相「リスクは依然として下方に傾いている。貿易と地政学的緊張は激化している」
会議では、貿易摩擦を背景とした世界経済の冷え込みに各国から懸念が相次いだため、共同声明には、G20各国は「これらのリスクに対処し続けるとともに、さらなる行動をとる用意がある」と明記された。
アメリカは現在、関税引き上げを材料に、2国間で問題解決しようとする姿勢を崩していない。
今回の会議でこの状況をどう打開するかが注目されていたが、声明では、アメリカが貿易赤字にこだわって各国を批判していることを念頭に、国同士の収支については、「貿易だけでなく、すべての構成要素に着目する必要がある」とけん制した。各国の事情に即して経済政策をおこなうことが必要だとしている。
一方、巨大IT企業などの税逃れを防ぐ「デジタル課税」については、2020年に新たなルールで最終合意をめざす作業計画を承認した。
米中の貿易摩擦で世界経済の先行きが不透明な中、月末のG20首脳会議でどこまで対立をやわらげることができるか、議長国としての責任が重くのしかかっている。