「値上げまだ足りず 企業のコスト上乗せまだ4割」
原材料価格の高騰で食品や日用品などの値上げが相次いでいますが、企業側はコスト上昇分の4割程度しか価格に転嫁できていないことがわかりました。
帝国データバンクが国内の企業およそ1万2000社から得た調査結果によりますと、原材料価格や物流費の高騰などによるコスト上昇分をどのくらい上乗せできたかを示す「転嫁率」は39.9%にとどまることがわかりました。つまり、コストが100円上昇しても40円ほどしか値上げできていないことになります。
「コスト上昇分をすべて転嫁できている」と回答した企業はわずか4%でした。さらに「全く転嫁できていない」企業も15.9%あり、転嫁が進まない理由として「取引先に言い出しづらい」「顧客が同業他社に流れてしまう」などの声があったということです。多くの企業がコスト上昇分を自社で負担していることが浮き彫りになった形です。
これから春闘が本格化しますが、賃上げの実現には、価格転嫁が必要となってきます。