【解説】外国人観光客「消費増」へ… 地方で“スペシャルな体験”企画 旅行の仕方に変化も
観光庁が、訪日中の外国人観光客の消費額をアップさせる計画案を打ち出しました。コンセプトは、地方での今まで以上の消費です。“スペシャルな体験”を企画し、観光客を呼び込みたいとしています。さらに、海外の人の旅行の仕方も変わってきていて…。
■外国人観光客の消費額どう増やす? 打ち出すのは“スペシャルな体験”
有働由美子キャスター
「日本に来る外国人観光客の滞在中の消費額、これを見ていきたいと思います。コロナ前の2019年、(消費額の単価は)平均で15万9000円でしたが、これを今から2年後の2025年には20万円にアップさせる。そして地方での宿泊日数、1.35泊だったのを1.5泊に延ばすという計画案を観光庁が打ち出しました。つまり、地方で今まで以上にお金を消費してもらうというコンセプトですけれど、実際どうやって実現していくのでしょう、小野さん」
小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク
「スペシャルな体験を企画します。例えば『お寺の内部、特別限定公開』ですとか、『底引き網 引っ張り体験』とか、『酒造ツアー』、そして『農村の家に泊まる農泊』。その地方にそのとき行かないとできないスペシャル体験ですから、少々高いお金を払ってでもそこに行こうとします。農村ですと、『サステナブルですよ、自然や文化の保全につながりますよ』と欧米の観光客へのアピールもできるわけです」
■旅館やホテルも様々な工夫でおもてなし…スイートルームに長期滞在も
有働キャスター
「この先を考えると、“爆買い”だけに頼るのではないということですよね。先日、外国人の友達が、『“ワーケーション”を日本でするならどこがいい』と聞いてきたのですが…」
小野解説委員
「“ワーケーション”ですか」
有働キャスター
「はい。コロナの後、相当、海外の人の働き方とか、旅行の仕方が変わっているんだなと思ったんですけど、そうなるとホテルや旅館の活用も変わってきますよね」
小野解説委員
「そうですね。日本での滞在をどうやって充実してもらうか、それぞれの工夫があるようです。箱根湯本の温泉旅館「箱根藍瑠」にうかがいましたら、14日の宿泊は100%外国人だそうです。力を入れているのは、旅館内だけにとどまるのでなく、街の情報を積極的に提供することだそうです。観光客が街に出ると、消費額が増えると、街が潤うことになります」
「そして、都心のホテル(パレスホテル東京)です。広さ90平方メートルのスイートルームを6部屋、新たに作りました。すると今、一部屋あたりで支払われる額が、8万円を超えているそうです。それでも長期滞在する外国人旅行者中心に、利用が伸びはじめているそうです。こうして付加価値をつけることで、日本での長期滞在も見込めるといいます」
(2月14日放送『news zero』より)