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新米に値上がりの危機 「コスト割れではやってられない…」 “新米離れ”懸念も

2023年8月9日 21:30
新米に値上がりの危機 「コスト割れではやってられない…」 “新米離れ”懸念も

新米の収穫が各地ではじまっています。今年は晴れの日が多く“上々のでき”ということですが、来月ごろから入荷する予定の新米に値上がりの危機が迫っているというのです。米作りの現場などを取材しました。

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東京・日本橋にある店を訪ねました。食欲をそそる炊きたての国産米を、まだ熱々のうちに握っていき、具材をたっぷりとトッピングします。鮭や、銀だらなどがのった食べ応えのあるおにぎりを販売しています。
(※ちりめん山椒:280円 銀しゃけ塩こうじ:250円 銀だら西京焼き:340円)

後から、パリパリの海苔を巻いて、食感も楽しめます。家族で買いにきた客は…

客(40代)
「基本的におにぎりは冷めてもおいしい。自分たちも、すごく好き」
日本人の食文化でもあるおにぎり。しかし、ここにも…

TARO TOKYO ONIGIRI 川原田美雪取締役社長
「海外のお魚は特に(仕入れ値が)上がったかなと」

燃料費の高騰などの影響で、鮭や銀だらなどの具材の仕入れ値が1~2割上昇。「銀だら西京焼き」おにぎりは、店頭価格を10円値上げしました。さらに…

TARO TOKYO ONIGIRI 川原田美雪取締役社長
「新米の(仕入れの)値段が上がると聞いてるので、そこが不安」

来月ごろから入荷する予定の新米にも、値上がりの危機が迫っているというのです。

客(30代)
「お米は割と価格が安定しているイメージが強いです」

お米といえば、これまでは高騰する小麦に比べお米は安定した価格のはずでしたが、値上げの荒波がお米にまで押し寄せているというのです。

客(40代)
「え!? まだ値上がるの!? っていう」
「あんまり(価格)上がってほしくないですね、毎日食べるものなので」

    ◇

米作りの現場では、何が起きているのか、9日、私たちは関東で米作りが盛んな千葉・いすみ市へ向かいました。

今は新米の中でも、収穫がよりはやい「早場米」の出荷シーズンです。今年は晴れている日が多く、新米のできは上々だといいます。ただ、頭を抱えていたのは…

新田野ファーム 藤平正一代表取締役
「肥料はなにしろ倍になってるし、去年は1500円で買えたのが今年は3200円」

肥料が2倍以上の値段になっているというのです。

新田野ファーム 藤平正一代表取締役
「ウクライナの戦争勃発から、急に高くなりました」

ロシアによるウクライナ侵攻などで輸入する原料が高騰し、肥料が値上がりしていました。さらに、稲刈り機を動かす軽油も値上がり。

新田野ファーム 藤平正一代表取締役
「コスト割れでは我々生産者もやってられないと、みんなつぶれちゃいます」

そのため、出荷価格を値上げ。スーパーなどでの販売価格は、去年に比べて800円ほど高くなったといいます。
(※小売店での販売価格[10kg] 去年:2980円 今年:約3800円)

県内の農業協同組合も、新米の取引価格について、去年に比べ上げる見込みだということです。

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東京・北区にあるお米専門店では、すでに高知県産の新米の店頭価格を値上げしました。

篠原ライス 篠原秀久代表取締役
「人件費など上乗せになりますので、5%程度ですけど(店頭価格を値上げ)」

物価高の影響でただでさえ客の財布のひもがかたくなっている今、値上げによって“新米離れ”が起きるのではないかと懸念していました。

値上げの波が押し寄せる中、夏休み限定でお得なサービスも打ち出しています。新米以外のお米を、5%ほど割り引きして販売しているのです。

篠原ライス 篠原秀久代表取締役
「通常よりも下げて販売していますね。お子さんもたくさん食べる子も多いと思うので、遠慮なくご飯が食べられるような」

家での食事が増える夏休み。家計の応援にもつながればと、値引きしていました。

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