「東京一極集中是正」経済同友会が集中討議
経済同友会は、日本経済のありかたについて集中討議を行いました。参加した経営者や有識者に、東京一極集中是正の意義や課題について聞きました。
■東京一極集中の課題
慶應義塾大学環境情報学部・安宅和人教授「かなり大きい組織に働いている人と、守られていない人と2種類いるわけですよね、東京圏って。前者(大企業)はとっくにリモートワーク。問題は残りの守られていない4割くらい。これから大量にたぶん(今と)似たようなパンデミックが来ると推定される。向こう数十年に何回か来るとすると、今(4割の)彼らもちゃんとリモートで働けるようになって、リモートで教育も受けられるようになって、なおかつ生活もある程度安定するようにする(のが必要)。東京こそチャンスを与えるジャパンドリームの中心地であるべきなのに、逆に向かっている」
■地方での教育に価値
白馬インターナショナルスクール設立準備財団・草本朋子代表理事「災害もどんどんひどくなってきて、コロナみたいな病気が出たりして、過密な都市に住むことのリスクみたいなものも徐々に人が認識し始めていると思っていて、デジタル技術の革新とともに地方に住むデメリットが前ほどなくなっている。誰も経験したことのない問題を、気候変動もそうですが、こどもたちはそれに立ち向かって自分たちで解いていかなきゃいけないという人材を育てるときに、地方のチャンスはすごく大きいと思っていて、大自然の中に出て人間の弱さ、自然の大きさとかを体感しながら育ったこどもの伸びしろが高いと言えるのではないかと思っている」
■デジタル化を急げ
サントリーホールディングス・新浪剛史社長「(デジタルの活用で)地域で仕事をして活躍するっていうのができるようになった。ただ地域サイドが準備できていない。これが1年、2年、3年、『あまりデジタルトランスフォーメーション、地域で進まないね』となると冷めちゃう。鉄は熱いうちに打たないといけない。早く“デジタルガバメント”を進めて、教育・オンライン・介護、早く進めることだと。スピード感がすごく重要だと思う」
経済同友会では、東京が持つ優位性は維持、強化しながら、デジタル化の促進で住む場所や働き方など人々の選択肢が広がるよう議論、提言していく方針です。