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“悪い円安”懸念 身近に影響…牛肉、ワイン、100円商品も

2022年4月13日 21:45
“悪い円安”懸念 身近に影響…牛肉、ワイン、100円商品も

今年に入り、急速に円安が進んでいて、13日は1ドル126円台をつけるなど、約20年ぶりの水準となりました。このため、100円均一ショップなど、身近なところへ影響が広がっています。

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東京・世田谷区にある「ステーキハウス スリーロイン」は、豪快に焼き上げた分厚いステーキがウリの店です。


「最高ですよ。1週間に1回ぐらい、みんなで来るんじゃないですかね」

ファンも多いステーキですが、去年の末、原材料費の高騰などで、牛肉の仕入れ値が1キロあたり200円ほど上がったといいます。そこに追い打ちをかけるように――

スリーロイン 中村太豊店主
「ウクライナ情勢ですとか、円安なんかの影響で、ずいぶん、今までに考えられないぐらいの幅でオーストラリアの牛肉が値上がりをしている状況です」

“円安”の影響で今月、牛肉の仕入れ値は、さらに400円も上がったといいます。

中村店主
「(今後仕入れ値が)5割近く上がるかもしれない。どこまで頑張れるかは、かなり厳しい状況になってきています」

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13日、約20年ぶりに1ドル126円台をつけました。

さらに進んだ円安。経済界からは、「輸入企業や家計に打撃を与える“悪い円安”になりかねない」との懸念もあがっています。

フランス産やアメリカ産の輸入ワインなどを扱う、東京・銀座にある「ヴィノスやまざき 銀座店」では、円安により海外での買い付け金額が上がったため、来月から販売価格を5%~10%値上げする予定だといいます。

ヴィノスやまざき商品部 保坂清仁部長
「ほぼすべての商品にたいして、元の原価が上がってくる」

チーズやサラミなども輸入品のため、値上げの対象は約180品目。これまで、原材料費や輸送費が高騰しても値上げせずに販売していたといいますが、保坂部長は「円安ということがありまして、最後の追い打ちといいますか、現状としてはトリプルパンチのような状況」と話します。

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追い打ちをかける円安の影響は、お財布に優しい“100円均一”にも出ていました。

ワッツ関東エリア スーパーバイザーリーダー 七戸宏好さん
「こちらが、取りやめをしようとしている商材です」

商品の多くが海外で製造されているため、円安の影響を受けやすく、一部の100円商品の販売を取りやめる予定です。

ワッツ 商品課 森本大輔さん
「今まで以上の値上げの波が来ていますので、100円で販売するには、上がり額の問題とかで、困難なときはやめざるをえない」

コーヒーフィルターや食材の保存袋など、数百種類の販売取りやめも検討しているといいます。その代わりに――

森本さん
「品質ですとかサイズ感にボリュームを持たせて、付加価値をつけて、100円商品以外の価格帯で展開しています」

価格維持が難しくなった100円商品の部品や大きさを変え、品質をアップさせることで、200円以上の商品として販売しているといいます。

値上げラッシュを招く円安。今後、家計への影響がどこまで広がるのか心配されます。