トイレットペーパー“進化中”新商品登場
トイレットペーパーといえば、12ロール入りでの販売が定番でしたが、生産を中止するメーカーが出ています。代わりに登場しているのが、3倍巻きなど、1ロールの紙の長さが長いもの。それがエコにもつながるというのですが、なぜなのでしょうか。
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都内にあるドラッグストア。トイレットペーパー売り場を案内してもらうと…
ケイポート・店舗運営リーダー 内野隆一さん
「今こちらが売れております。従来の12ロール分がこの大きさになってます」
これまで定番だった12ロール入りに比べ、こちらのパックは4ロール入り。しかし、1ロールの長さは3倍に伸びているので、トータルの長さは、ほぼ同じだということです。
長尺タイプを購入した人は…
長尺タイプを購入
「持って帰るのに、小さくて、これだと袋に入れてもらえるので、何買ってるかわからない感じがする」
長尺タイプを購入
「取り替えるの少なくて済む。芯のゴミがね、それだけ芯を使わないからゴミの量が減る」
店にとっても大きなメリットがあります。
ケイポート・店舗運営リーダー 内野隆一さん
「従来のものですと、12ロールがこの在庫になります。3倍巻きがこちらになりまして、かなりコンパクトになっています」
在庫のスペースをとらずに済むうえ、店頭にも多くの商品を並べることができるということです。
それは家庭の収納でも…。定番の12ロールは大きなスペースを占めましたが、3倍巻きの場合は、ご覧のようにスッキリ。収納に余裕が生まれました。
2020年、各地で起きたトイレットペーパーの買い占め騒動。災害が起きたときなどに買い置きの需要が高まる傾向があります。
これまで定番だった12ロール入りの生産を終了したメーカーも出ています。
訪ねたのは日本製紙グループの会社。4月、すべてのトイレットペーパーを3倍巻きなどの長尺のタイプに切り替えました。
日本製紙クレシア・マーケティング部 齊藤雄太さん
「トイレットロールの表面にプチプチした凹凸があります。これを入れることによって、ふんわり感を出しながら長く巻くという相反する技術が入っている」
断面を見てみると、従来のものと比べ、3倍巻きのタイプは「すき間」があまりありませんが、独自の技術で「ふんわり感」は保っているということです。
さらに長尺化はエコにもつながるといいます。
日本製紙クレシア・マーケティング部 齊藤雄太さん
「(従来のトイレットペーパーは)かさばっていて重さがないので空気を運んでいるような形になっていたが、(長尺化で)輸送効率が上がって、排出されるCO2の量も減らすことができる」
一方、王子ネピアも5月、長尺タイプの新商品を発売。
マーケティング本部 高瀬智子さん
「長さは2倍巻きになるんですが、1番の特徴は紙で包装された商品」
環境に配慮して紙のパッケージで包装。トイレットペーパーには厳選されたパルプを使い、独自の技術で柔らかさを保っているということです。
5月、静岡県の丸富製紙が発売したのは、たった2ロールでこれまでの12ロール分に相当する“超ロング”トイレットペーパー。
一般的なシングルタイプの商品は1ロールが50メートルほどですが、この新商品は6倍巻きで長さは300メートル。東京タワーに届くほどの長さです。
丸富製紙・常務取締役 日向孝夫さん
「(通常の)1/6のスペースで済むので、防災や家庭内での備蓄とかに対しても非常に大きな効果があると思う」
また、この商品には芯がないため、ゴミを出さずに最後まで使い切ることができるということです。