日銀10月の企業物価指数は前年同月比3.4%上昇 コメ、卵などの価格上昇などが寄与
日本銀行が発表した、企業間の取引での物価の変動を示す10月の企業物価指数は123.7となり、前の年の同じ月と比べ+3.4%と高い伸び率になりました。前年同月比では44か月連続のプラスで、指数123.7は過去最高を更新しています。
日銀によりますと、「農林水産物」や「非鉄金属」の価格上昇が指数を押し上げました。農林水産物では精米、玄米で肥料価格や輸送費、人件費などのコストを価格に転嫁する動きが続いて価格が上昇したほか、鶏卵も、冬場に値上がりする季節性もあって価格が上がったということです。
コメの価格について日銀は、「昨年産米」から「今年産米」への切り替わりが落ち着けば、値上がりが加速することはないものの、「そもそも今年産米の価格は昨年産より高いので、価格が高い水準は概ね維持されるだろう」と分析しています。
非鉄金属は、銅の国際価格が上昇した影響で値上がりしています。
また10月は、半年に一度の価格改定が集中する月で、これまで上昇したコストをなかなか価格に転嫁できなかった中堅・中小企業にも値上げの動きがみられるということで、日銀は「価格転嫁の裾野が広がった」と分析しています。
一方、海外から輸入するモノの価格を示す輸入物価指数は、円ベースで前月(9月)に比べて3.0%上昇しました。円相場は10月に入って再び円安が進んでいて、日銀は「一部では為替変動も影響した」とみています。