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再生可能エネ“2倍”に目標掲げるも…課題

2021年7月25日 12:34
再生可能エネ“2倍”に目標掲げるも…課題

世界で加速する「脱炭素」の流れにあわせ、政府は、エネルギー基本計画を3年ぶりに見直しました。高い目標を掲げる一方、課題も浮き彫りとなっています。藤吉有咲記者が報告します。


■再生可能エネ“2倍”へ…短期では「太陽光発電しかない」

温室効果ガスを2030年度までに46%削減する目標を達成するため、政府は、エネルギー基本計画の原案を発表しました。

排出量が多い火力発電の代わりに主力電源と位置づけたのは、再生可能エネルギー。今の2倍にあたる36~38%にまで引き上げるとしており、経産省幹部は、短期的に増やせるのは「太陽光発電しかない」と話します。


■厚さ1ミリのフィルムが、世界の発電を大きく変える?

そうした中、政府も注目するのが、厚さわずか1ミリのフィルム。実は、次世代型の太陽光パネルです。

東芝研究開発センター・水口浩司氏「かなり薄くて軽いので、そのままぺたっとはることが期待されていまして、設置も簡単になります」

フィルム型のパネルは、将来的に建物の壁など狭い場所でも発電ができると期待されています。太陽光発電は広い設置場所が必要なだけに、国土が狭い日本にとって有効な手段となりえます。しかし、実用化にはまだ時間がかかります。

また、原子力発電は今の6%程度から、20~22%まで広げる方針です。しかし、そのためには、電力会社が稼働を申請している原発27基のフル稼働が必要とされています。


■「リアリティーにかける」政府の会議で疑問の声

この目標について、政府の会議では、達成できるのか、疑問の声が相次ぎました。

分科会委員「夜に発電しない太陽光にあまりに偏ってないでしょうかと」

分科会委員「どれ1つとして確実な達成が見通せているものはございません」

分科会委員「帳尻あわせをした結果であって、非常にリアリティーにかける」

掲げた高い目標に向けて、実現可能な道筋を示すことができるのか。政府の覚悟が問われます。