エネルギー基本計画「脱炭素」電源6割方針
日本のエネルギー政策の方向性を決める「エネルギー基本計画」の原案が21日に行われる経済産業省の専門家会議で発表されます。2030年度の総発電量における「脱炭素」電源の割合をおよそ6割とする方針です。
政府は2030年度に温室効果ガスを2013年度比で46パーセント削減する目標を掲げています。この目標を達成するため、政府が見直しを進めている「エネルギー基本計画」では、総発電量における各電源の割合=「電源構成」が注目されています。
日本テレビの取材によると21日に議論される「エネルギー基本計画」の原案では、再生可能エネルギーや原子力などの「脱炭素」電源の比率をおよそ6割とします。
エネルギー基本計画では太陽光発電などの再生可能エネルギーを「主力電源として最大限導入」するとして現行の目標である22~24パーセントから、36~38パーセントにまで高めます。
また、現在、総発電量のおよそ8割を占める火力発電は2030年にはおよそ4割に抑え、内訳では天然ガスが20%、石炭が19%、石油が2%となる見通しです。
次世代のエネルギー源として期待される水素とアンモニアは1%と見込まれています。
焦点となっていた原子力発電は、新設や増設、建て替えについては明記せず、現行の目標である20~22パーセントを維持する方針です。その上で「エネルギーの安定性に寄与する重要な電源」として「必要な規模を持続的に活用する」とする予定です。
原案は、21日に行われる経産省の専門家会議で議論され、秋までの閣議決定を目指します。日本のエネルギーの未来を決定づける、政府の選択が注目されます。