“脱炭素”の流れ 金融界にも大きな変化
豪雨や水害など気候変動が私たちの生活に及ぼすリスクが年々高まる中、「脱炭素」の流れは今、金融の世界にも新たな変化をもたらしています。日本テレビ経済部の広芝学記者の報告です。
16日、日銀が発表したのは…。
日本銀行・黒田総裁「気候変動対応に支援するための資金供給について、その骨子素案を全員一致で決定」
気候変動に取り組む企業に投融資する金融機関に対し金利0%で貸し付ける新たな制度です。背景には、世界各国で加速する脱炭素の動きがあります。脱炭素を巡り今、企業への投資に大きな変化が起きています。
今年、日本生命は国内の機関投資家としては初めて全資産の投資判断に「環境」や「社会問題」などへの取り組みを重視する「ESG」と呼ばれる評価を取り入れました。
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「ESG」の観点で「対話」を行い今後の投資について判断するというのです。対話とはどういったものか特別にカメラが入りました。
日本生命・有価証券運用担当、大澤晶子取締役「御社の脱炭素への取り組みどのように推進?」
「対話」のテーマは「E」=環境への取り組みです。
三井物産・稲室昌也IR部長「水素という流れを世の中、見ている中で当社も、もちろん着眼している、米・カリフォルニア州で水素ステーションを展開する会社。こちらに出資をして…」
ESG投資に統一された評価基準がない中、日本生命がこうした対話を繰り返す狙いは、企業の“本気度”を見極めるためです。
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なぜ全資産にESG評価を取り入れたのか。トップに聞きました。
日本生命・清水博社長「ESG(環境・社会・企業統治)に重点を置いた、投融資に積極的に取り組むことによって、それを通じて社会が持続的に発展する後押しをする」
日本生命・清水博社長「いきなり、例えば二酸化炭素をたくさん出している企業への投融資を全て引き上げるということは、現実には難しい」
今や世界のESG投資の規模は、3000兆円にものぼると言われています。官民挙げて、いかにこの巨額マネーを取り込み、日本経済活性化につなげるかが焦点になります。