商品を“特化”した店が続々 その狙いは…
扱う商品を限定するなど、新たな戦略に乗り出す店がいま増えているといいます。卵を使ったスイーツの専門店がオープンしたほか、客層を絞った店などが次々と登場。商品を特化させた店の狙いを取材しました。
◇
菓子メーカーのシャトレーゼが10月29日に東京・池袋にオープンしたのは卵スイーツの専門店です。
材料の卵には、スイーツ向けに独自開発したという「八ヶ岳の恵み」を使用。この卵の濃厚な卵黄を使ったクリームをパイ生地に流し込み、店内で焼き上げたのが「エッグタルト」です。まろやかでコクのある卵のおいしさが味わえる一品です。
この店で販売しているのはエッグタルトのほか、シュークリーム、プリンの合わせて3種類だけ。素材はすべて独自開発の同じ卵を使っているということです。
購入した客
「プリンとかは、卵がおいしい方がおいしそう」
購入した客
「素材にこだわっているのは知っているので、そこの卵専門の店ができたということなので、よかったかなと」
卵スイーツに特化した新店舗を出店した狙いは、どこにあるのでしょうか?
シャトレーゼ 齊藤寛代表取締役会長
「(飼料会社・卵農家と)一緒になって研究した卵が、ようやく、おいしいものが出ましたので。都心の場合には、お菓子屋はいっぱいあるわけです。ですから、的を絞って八ヶ岳のたまご」
使う商品を限定することで、素材のこだわりが消費者にアピールできるといいます。
◇
一方、関東地方に展開している食品スーパーのヤオコー。10月、埼玉県内に、20代から40代を中心にした「ヤングファミリー層」に特化した店舗をオープンしました。
ヤオコー和光丸山台店 岩崎道成店長
「ここが冷凍食品の売り場になります。ヤオコーの中では最も広さをとってる店舗になります」
周辺エリアに若い世代が多いというこの店舗。冷凍食品は特に子育て中の母親のニーズが高いため、ほかの通常の店舗と比べて、およそ2倍の売り場面積を確保したといいます。
また、肉や魚などの生鮮食品売り場にも冷凍ケースを複数設置。店内で加工した肉などを冷凍品にして販売しています。
フルーツを使った自家製のスイーツなど、「おやつ」の品ぞろえも強化しているということです。
ヤオコー和光丸山台店 岩崎道成店長
「買い物していて楽しいという声もいただいておりますし、『こういった商品があるの?』という声もいただいています」
◇
あらゆる商品を取りそろえるドン・キホーテも、一部の商品だけに特化した専門ショップを次々とオープンしています。
今年5月、1000種類以上のお菓子をそろえた「お菓子ドンキ」や、年代物のお酒も並ぶ「お酒ドンキ」を東京駅直結の八重洲地下街に開店したのに続き、今週土曜日(11月6日)には、千葉県柏市のショッピングモールの中に「お菓子ドンキ」に加え、コスメに特化した「コスメドンキ」、さらに、麺やカレー、調味料など、およそ1000種類の「辛いもの」を集めた「驚辛ドンキ」を開店します。
人気のカテゴリーの商品を種類豊富にそろえることで、新たな発見を楽しんでほしいということです。
◇
10月、東京・新宿にオープンした生活雑貨の店。食器や包丁など、洗練されたデザインのものが並んでいます。
来店客
「色とかカラーがまとまってて、おしゃれな感じ」
実は、この店を手がけているのは、100円ショップ業界をリードしてきた「ダイソー」です。今年3月、東京・渋谷に100円均一より少し上の価格帯で、デザインや品質にもこだわった新たな店舗をオープンしていて、今回の新宿の店は2号店となります。
「耳が痛くなりにくいマスク」は、シリコンになっているひもの部分が、体温に応じて少し柔らかくなるといいます。
Standard Products新宿アルタ店・店舗責任者 安部亜弓さん
「日用品を少し、デザイン性を持たせてみたりとか、より便利なものになるように、少し特化したもの(をそろえた)。(価格帯は)110円から1100円となっていて、330円の商品が7割を占めています」
消費者のニーズに合わせて特定の品ぞろえに特化した店舗は、今後も増えていきそうです。