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新幹線「子ども無料」も 各社のサービスは

2021年11月23日 19:36
新幹線「子ども無料」も 各社のサービスは

23日、勤労感謝の日は、今年最後の祝日です。お出かけしている人、冬のお出かけを考えている人も多いと思いますが、最近、鉄道各社が、特に子ども連れへのサービスや安心感を打ち出しています。

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■「のぞみ」子ども料金“実質無料”へ 条件は?

24日から新幹線「のぞみ」の子ども料金が、全員実質無料となります。例えば、大人2人・子ども2人の4人家族で利用した場合、東京~新大阪間は片道2人分で1万4500円(片道)、東京~博多間なら2万3180円(片道・直通のみ)となります。この子ども料金が、全額返ってくるというわけです。往復になると倍なので、かなり大きいわけです。

ただし、すべての条件を満たす必要がありますので、よくご注意ください。

まず、こちらはJR東海と西日本の期間限定キャンペーンです。24日から、来月19日までの乗車分に限られます。子どもだけの乗車はダメで、大人と同時に購入することになります。

そして、必ず東海道・山陽新幹線のネット予約サービスの会員になって、ネット上から予約する必要があります。

駅で切符を買っても返金されず、さらに、大人も子どもも全員が、「スイカ」や「パスモ」といった交通系ICカードなどチケットレスで改札を通る必要があります。

6歳から11歳のお子さんは子ども用のICカード、6歳未満のお子さんが座席を使う場合もICカードが必要になります。こうした条件を満たすと、子ども分の料金がクレジットカードに返金されて「実質タダ」となります。

そのほか、最大人数や対象区間なども決まっていますので、詳しくはJRのキャンペーンサイトをご覧ください。

こうしたキャンペーンを行う背景には、やはり新型コロナウイルスの影響があります。

今月1日から16日までの東海道新幹線の利用者数は、コロナ前の2018年と比べて、55%にとどまっています。今年5月は27%にまで落ち込んでいたので回復しつつありますが、まだ半分くらいしか戻ってきていない現状があります。

JR東海は「コロナの影響でお子さま連れの遠方への旅行ができる機会も限られていたことから、ぜひご家族で旅行へ行くきっかけにしてほしい」としています。

■JR東海「お子さま連れ専用車両」大幅増

小さい子どもと新幹線に乗る時に心配事といえば、特に小さい時は泣き声で周囲に迷惑をかけないか、ある程度大きくなると走り回って迷惑をかけないかといったことがあります。

そのような家族向けの車両があります。東海道新幹線の一部列車に設定されている「お子さま連れ専用車両」です。

JR東海は、来月22日から1月11日までの年末年始、この専用車両の本数を毎日、大幅に増やして、「のぞみ」も含めて運行すると発表しました。1日片道最大5本、合計136本に設定されるということです。

普通の車両とは何が違うのでしょうか。

「こだま」なら13号車、「のぞみ」なら6号車と、まるまる1両がお子さま連れ専用車両になります。小さな子ども連ればかりなので、周囲に気兼ねなく過ごせるのではないでしょうか。

それから、大人も含めて1ドリンクの引換券も付いているということで、久しぶりの帰省や家族旅行に利用してほしいとのことです。

■小田急 来年から小学生向け運賃「全線50円均一」に

そして、まだ少し先の話になりますが、驚きの発表もありました。

小田急電鉄は来年の春から、小学生向けの鉄道運賃を「全線で50円均一にする」と発表しました。子どもなら小田急をどんなに乗っても50円ということです。

こちらも交通系ICカードを使った場合に限られます。しかし、小田急線で最も距離が長い新宿駅から小田原駅の運賃は現在、子どもは445円ですが、これが50円とおよそ9割引きとなります。

こうした子どもを対象にした一律の値下げは、全国でも例がないということです。小田急電鉄は「子育てしやすい沿線」を掲げていて、ファミリー層を沿線に呼び込みたいという狙いがありそうです。

■「ウィズコロナ」で注目 ビジネス専用車両

そして、ウィズコロナの生活の中で、大人のビジネスパーソンを中心に注目されているのが、先月から東海道新幹線のぞみの7号車に導入されたビジネス専用車両「SWork車両」です。

乗客は、携帯電話での通話、パソコンを使ってウェブ会議などの通話もOKです。まわりを気にせず、集中してリモートワークをすることができます。

また、最新型の「N700S」ではパソコンを置ける膝クッションや簡易ついたてなどのビジネスサポートツールを無料で借りることができるということです。

新幹線の中で仕事しなければいけない時に、カタカタ打つのはけっこう気が引けますが、これからのぞみでは7号車を予約してお仕事ができるということになります。

そして、今週からは東北・北海道・上越・北陸新幹線でも「新幹線オフィス車両」がもうけられました。こちらは「8号車限定」ということで、平日のすべての列車すべての区間に設定されています。
こちらは、新幹線の乗車券を持っている人なら誰でも追加料金なしで8号車まで行って利用することができます。

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コロナ禍の生活が長引き、利用者の伸び悩みやリモートワークの増加という大きな変化が現れています。こうした鉄道各社の競争が、私たちの便利やお得感につながるのはうれしいことです。

(2021年11月23日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)