「今年の一皿」はアルコールテイスト飲料
その年の世相を反映してきた料理「今年の一皿」が発表されました。新型コロナウイルスによる飲食店への制限が長引く中、選ばれたのは、“アルコールテイスト飲料”でした。
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まさに今年を象徴する”食”が選ばれました。
ぐるなび総研 滝久雄社長
「2021年今年の一皿は“アルコールテイスト飲料”です」
毎年、ぐるなび総研が発表する「今年の一皿」。2021年の世相を最も反映した一皿として、ノンアルコールでもお酒を飲んでいる気分が味わえる“アルコールテイスト飲料”が頂点に。その理由のひとつは――
ぐるなび総研 家中みほ子さん
「コロナウイルスが長期化したということと、酒類提供制限を受ける中で、飲食店の救世主となったことが理由として挙げられます」
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緊急事態宣言下の今年7月、都内にオープンしたバー、「LOW-NON-BAR」。4種のベリーに爽やかなビネガードリンクをあわせたカクテルや、ライムなど柑橘メインのカクテルなど、ノンアルコールのカクテルを提供しています。アルコールがないかわりに、風味を出すため香りにこだわったものもあります。
記者
「バラの香りがふわっと口の中に広がります」
コロナ禍でも、お酒の雰囲気を味わえるため、足を運ぶ人が多いといいます。
LOW-NON-BAR・店長 高橋弘晃さん
「コロナ禍でお酒飲まなくなったから、ちょっと試してみようかなという人もいました」
飲食店でのお酒の提供に制限が多かったアルコールに代わる楽しみとして、今年、より広がりをみせたノンアルコール飲料。「今年の一皿」に選ばれた理由は、こんなところにも――
ぐるなび総研 家中みほ子さん
「アルコール好む人、好まない人が、同じ場を楽しむ機会が増えてくると思います」
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その楽しみ方をすでに提案しているホテルもあります。東京のホテル椿山荘が、今年4月から始めた“ノンアル”のイタリアンコース料理。ワイングラスに注がれるのは、ソムリエが料理に合わせ厳選した“ノンアル”ドリンクです。
ワインと同じように、料理を引き立たせるような味わいにこだわっているといいます。
ホテル椿山荘東京・マーケティング課 中野佑美さん
「アルコール提供再開後も変わらずに需要があってお楽しみいただいています」
会食やお祝いの席などでも、“ノンアル”を楽しむことが定着しつつあるといいます。
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今年だけにとどまらず、今後も需要が増えそうな”アルコールテイスト飲料”。来年はどんな一皿が登場するのでしょうか。