盛岡からMORIOKAへ 米紙が「今年行くべき52か所」の2番目に選定 問い合わせ急増
ニューヨーク・タイムズ紙が「今年行くべき52か所」として紹介した世界の旅行先で、岩手県の盛岡市が2番目に選ばれました。市内の店や宿泊施設には問い合わせが急増し、新たなおもてなしの動きが始まっています。
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胃袋の限界までそばを食べられる「わんこそば」は、岩手県盛岡市の名物です。
愛知県からの観光客
「わんこそばを食べにきました」
――100杯いけそうですか?
愛知県からの観光客
「いきます、気合で」
愛知県からわんこそばを目当てに来たという大学生は、見事100杯を平らげました。100杯以上食べた人にだけ贈られる木製の手形をもらい、ご満悦の表情でした。
岩手県盛岡市の創業116年の老舗そば店には、岩手県出身の作家・宮沢賢治が好きだという台湾から来た家族も訪れていました。盛岡について聞くと――
台湾から来た家族
「歴史を感じます。だけど寒いですね」
東家 馬場暁彦社長
「きのうはロサンゼルスの方から、『わんこそば食べに来たよ』って言っていただいて。台湾からのお客さんとかもいらっしゃってて」
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“盛岡”が海外から注目されています。きっかけは、「盛岡はたいてい見過ごされる街だ」という一言から始まる記事を載せたアメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」でした。
先月12日、「2023年にいくべき52か所」という記事の中で、いくべき場所の1つとして、ロンドンに次ぎ、2番目に盛岡市が掲載されました。
記事を書いた在日20年以上のアメリカ人 クレイグ・モドさん
「中規模や小規模(な街)とかでも、快適な大事な人生が過ごせるよっていうのを伝えておかないと」
記事の中では、「人混みもなく、街歩きが快適」、「西洋と東洋の建築美をミックスした建物がある」などと魅力を語っています。
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世界に「盛岡」の名が広まり約3週間。
湯守ホテル大観 佐藤康社長
「本日のお風呂の動画ですが、英語表記を加えておりまして…」
市内の温泉宿では早速、記事が載ってから問い合わせが増加しているといいます。外国人観光客にも情報を発信するため、3日前からインスタグラムの投稿に英語表記を加えました。また、館内の貼り紙なども作り直しているといいます。
湯守ホテル大観 佐藤康社長
「ずいぶん、海外のお客さま、特に欧米のお客さんの反応が多くありましたので」
盛岡を海外にアピールする動きを手助けしようと、市役所は1日、市内のホテルに外国語も書いてある案内板を発送しました。
盛岡市役所・交流推進部観光課 畑山紀枝課長
「喜ぶとともに、いらっしゃる国内外の観光客の皆さんに、どのようにしたらおもてなしの心でお迎えできるか、できるところから取り組んでいく」
“日本の盛岡”から“世界のMORIOKA”へ。見過ごされてきた街の今後に注目です。