大人も躍起“リベンジ買い”売り場に変化も クリスマス「おもちゃ商戦」本格化
クリスマスまであと1か月を切り、本格的におもちゃ商戦が盛り上がりを見せています。そんな中、今、子ども向けのおもちゃだけではなく、大人をターゲットにしたおもちゃが人気となっていて、売り場にも異変が起きていました。大人が躍起になる“リベンジ買い”とは?
◇◇◇
27日、「今年のクリスマスおもちゃ」のトレンドが発表されました。
「デジタルトイ」と呼ばれるタブレット型のおもちゃなどが人気となる中、本物の航海士などが監修した精巧な作りのブロックや、家族で“おいしいおにぎり”を作ることができる商品など、「大人も楽しめるもの」も多く並んでいます。
日本玩具協会・専門委員 藤井大祐さん
「クリスマス商戦でも、大人が自分のためにおもちゃを買うのが増えています」
おもちゃ市場は、いまや子どもだけでなく「大人」も重要なターゲットとなっています。
◇◇◇
売り場にも変化が起きています。
日本トイザらス・マーケティング本部 立原俊久部長
「こちらが10月から展開の『大人の方向けのコーナー』です」
日本上陸から32年目を迎えるトイザらスでは、当時の子どもたちが「親になって帰ってくる」タイミングだと考え、10月から大人も意識した売り場作りを全店舗で進めているといいます。
実際、子どものクリスマスプレゼントを選びに来たはずのお父さんは、子どものためではなく、自分のために「高級トミカ」を買っていたことを、27日、妻に初めて告白しました。
お客さん
「(家にも)3、4個くらいあるのですけど、子どもにはぶん投げられるので渡せない。自分1人で飾っているだけですけど」
――3つも買ってたの知っていました?
お客さん(妻)
「知らなかったです」
――ばれちゃいましたけど…
お客さん
「時効だと思うので大丈夫です。大人買いできるようになったことはうれしい」
別のお父さんも…
お客さん
「最初は子ども向けで買っていたんですけど。自分が子どもの頃、これだけあったらいいなという感じで、今一緒に楽しんでいますね」
約100台のトミカを総額10万円以上かけて購入したといいます。
お客さん
「お金に糸目はないですね。教育として『どれか1つにしてね』と子どもには言いますけど、大人はそんなの関係なしに買っちゃえる」
◇◇◇
子どもの頃に抱いていた夢は、大人になったからこそかなえられることもあります。
今年3月、東京・池袋にオープンした「NARIKIRI WORLD STORE(なりきりワールドストア)」は、その名の通り、当時あこがれていたヒーローに「なりきれる」商品を置いています。
今回、特別にお客さんに展示品のベルトを使い変身してもらうと…
お客さん(20代)
「久々に変身しましたけど、臨場感はありますね。立体感も違います。ボイスも違いますし」
材質や音をより本物に近づけた大人用の変身ベルトは5万5000円(現在は店頭のみ購入可能)。値段は高くても、それでも…
お客さん(20代)
「買ってもらえなかったです、当時は。子どもの頃、欲しかったやつを大人になってからゲットできるのは感慨深い」
子どもの頃に買えなかった「リベンジ」として購入する人が多く、売り上げは右肩上がりだということです。
こうした“リベンジ買い”の流れは中古品市場にも来ています。千葉・柏市にある「トレジャーファクトリー南柏店 ホビー・楽器館」では――
お客さん
「こういうお店は、おもちゃ屋さんで買えないものが売っているんですよ。20歳で何万円の買い物とか勇気いるじゃないですか。大人になると平気」
今では市場に出回らない“昔あこがれたおもちゃ”を、価格が高くても買い求める人が増加。こうした需要が増えているため、このお店は去年9月、「おもちゃと楽器」だけを取り扱う専門館をオープンしました。
物価高で新品のおもちゃの価格が上がるとともに、中古品のおもちゃの買い取り価格も上昇。まもなく12月ということもあり…
トレジャー・ファクトリー エリアマネージャー 中島麟太郎さん
「希少な品物も眠っている可能性もございますので、思わぬ金額につながることもある」
大掃除のついでに、家に眠っている“お宝”を探してみるのもいいかもしれません。