日銀金融政策決定会合2日目 マイナス金利解除に向け議論“最終盤”
日本銀行の金融政策決定会合は19日が2日目で、マイナス金利政策の解除などを議論しています。日銀前から渡邊翔記者の報告です。
17年ぶりの利上げに踏み切るのか、マイナス金利解除をめぐる議論は最終盤に入っているとみられます。
2日目の議論では、マイナス金利の解除のほか、金利を低く抑える「長短金利操作=イールドカーブ・コントロール」の撤廃など、これまでの大規模金融緩和策全体を見直すべきかどうかが話し合われています。
日銀はこれまで、賃上げを伴った2%の物価上昇率の安定的な実現を目標としてきましたが、2022年以降、物価上昇率は2%を超え、先週発表された春闘では高い水準の賃上げ率が明らかとなりました。
こうしたことが大きな後押しとなり、日銀は2%の物価目標の安定的な実現が見通せる状況になったと判断する見通しで、波乱がなければ、マイナス金利の解除がこの後、決まるとみられます。
ただ、マイナス金利を解除したとしても、日本経済が着実に回復に進むかは予断を許しません。エコノミストからは、物価上昇率が今後、目標の2%を下回り低下していくとの見方もあり、国際的にもアメリカ大統領選や中国の景気減速などの不確実性があります。
ある市場関係者は、賃金と物価が上がっていく好循環は必ずしも見通せないとした上で、今の日銀には、“今、政策修正をしないとタイミングを失ってしまう”という「見切り発車的」なムードもあると指摘します。
マイナス金利を解除したとしても、日銀には金融政策の難しいかじ取りを迫られる局面が続きます。