【深刻】冬の味覚「みかん」猛暑で収穫量が減少 価格は高止まり 濃くて甘いのに…今後は? 福岡
冬の味覚「みかん」が今、深刻な事態となっています。ことしの猛暑の影響で、品種によって収穫量が減るなどしていて、生産者は頭を抱えています。
4日、福岡市東区のスーパーを訪ねました。
■吉原美樹記者
「ありました。おいしそうなみかんがずらりと並んでいます。」
この店では冬の味覚みかんが、Sサイズから大玉サイズまで4種類販売されていました。
■エムズ美和台店・久松浩一店長
「去年は1袋298円などで販売していたので、かなり高めの値段設定になっています。」
SサイズとMサイズのみかんは1袋484円で、去年の同じ時期と比べると150円ほど値上がりしていました。
■買い物客
「ちょっと上がったかなと思いました。安いほうがいいですね。」
これからの時期、みかんは家庭用だけでなく、お歳暮など贈答用としての需要も高まってきます。
■久松店長
「みかんが全然できていないので、入荷する量も少なくなっています。(1袋の量を)これ以上少なくして値段を安くするより、これくらいのボリュームがないと売れません。」
JA全農ふくれんによりますと、今シーズンの福岡県内のみかんの収穫量は、去年の同じ時期の7割程度にとどまっているということです。
生産地で何が起きているのでしょうか。福岡県宗像市のみかん農園を訪ねました。
■なかの風の丘農園・中野栄次さん
「夏の高温と乾燥で、収量が少ない状況です。」
この農園ではおよそ2000本の木でみかんを栽培していますが、今シーズンの収穫量は例年と比べて6割ほどにとどまっているといいます。夏以降も記録的な暑さが続いたことで色づきも遅くなり、みかん狩りのオープン時期を10日ほど遅らせました。
■なかの風の丘農園・中野恵里子さん
「カメムシが水分を取るんです。」
カメムシがみかんの果汁を吸うことで、実が腐ってしまう被害も多かったということです。
ただ、収穫できたみかんの中には、夏の暑さを乗り越えて味が濃くなり、甘さが強い実もあるといいます。
■元木寛人アナウンサー
「濃厚ですね。ぎゅぎゅっとうま味が凝縮されている感じがします。」
ことし9月ごろから価格が高止まりしているみかん。JA全農ふくれんでは今後も、しばらくは高値が続くとみています。