シングルマザー 月収15万円未満が77%「貯金ゼロ…苦しい現実の継続」フードバンクが調査 山梨
フードバンク山梨が食料支援を利用するシングルマザーを対象にアンケート調査を行ったところ、働いているシングルマザーの77%が非正規雇用で、月収が15万円未満に留まっていることが分かりました。
アンケート調査はフードバンク山梨が今年度、支援しているシングルマザーの446世帯を対象に6月下旬から7月中旬にかけて行いました。回答率は54.2%でした。
調査結果によりますと、働いていると答えたシングルマザーのうち、勤務形態が「正社員」は18%に留まり、「パート・アルバイト」が64%、「契約社員・日雇い・臨時」が13%と、「非正規雇用」が77%を占めました。
また、1か月の給与の平均手取り額は「10万円~15万円未満」が最も多い40%でした。次いで「5万円~10万円未満」の33%で、全体の77%が月収が15万円未満の世帯でした。
「今のあなたが求めているものは?」という問いに対しては、最も多かったのが「収入を上げたい」で35%、次いで「自分の時間がほしい」が18%、「今の自分の仕事を変えたい」が10%などと続きました。
現在の生活状況について尋ねると、「貯金ゼロ、パート収入で口座は毎月マイナスの繰り返し。苦しい現実の継続」「正社員になりたいが休みが多いのでパートだと言われる。掛け持ちしたいが子どもを見てくれる人がいない」「食べ盛りの男の子2人なので物価高騰により食費が大変」などの意見がみられました。
フードバンク山梨は「長時間働いても低収入で、仕事から帰れば家事と育児を一人で抱え、経済的・身体的・精神的に限界に近い状況であることが推測される」と指摘。「シングルマザーの正社員化や賃金引き上げ、各種手当拡充など労働条件の改善が必要」だとしています。
その上で、シングルマザーからのニーズが多かったパソコンスキルを学べる講座の定期開催などキャリアアップにつながる支援や協力企業と連携した様々な仕事の紹介といったマッチング機会の提供などに取り組んでいく考えです。