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国際
2022年5月5日 19:57

ロシアの次の狙いは? ウクライナ南部の制圧は“モルドバ”侵攻への準備か

ロシア軍によるウクライナへの侵攻開始から2か月半。大勢の民間人が避難する、ウクライナ南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所の敷地内に、「ロシア軍が侵入した」と一部メディアが伝えました。ロシアの狙いはどこにあるのか。NNN取材班は、隣の国モルドバで、一方的に独立宣言をした親ロシア派勢力の地域に入りました。

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ウクライナ南東部・マリウポリのアゾフスタリ製鉄所は、いまだに多くの民間人が避難しています。

一部の地元メディアは4日、「ロシアの部隊が製鉄所の敷地内に侵入した」と伝えました。

マリウポリの製鉄所で抵抗を続けるアゾフ連隊の司令官は、4日にSNSで「ロシアの部隊が製鉄所に入って2日目、血みどろの激しい戦いが行われている」と発信しました。

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そのマリウポリを先月16日に脱出したテチャナさんは、1か月以上、地下シェルターで暮らしたのち、妻と子供4人を連れ、約150キロ離れたウクライナ・ザポリージャ州まで5日間、歩いて避難したといいます。

テチャナさん
「ロシア兵が住民を拉致していて、子供もいなくなっていると」

マリウポリでは、街が破壊される中、ロシア軍が住民らを連行し、「選別センター」と呼ばれる施設で、政府や軍との関係を調べているとされています。

テチャナさん
「選別センターの目的は、ナチズムの人を見つけること。その後どうなるか、みなさんご存じでしょう」

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ロシアによる今回のウクライナ侵攻から、まもなく2か月半。攻撃が止まることはありません。

3日、ウクライナ側が新たに公開したのは、ハルキウにある遊園地にロケットが着弾し、遊具や建物が破壊される様子を撮影した映像でした。

また、ウクライナ・ドネツク州では工場が攻撃され、10人が死亡しました。被害は拡大し続けています。

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ロシア軍は、ウクライナ東部と南部の完全掌握を目指していますが、南部の制圧は、「モルドバへの新たな入り口になる」としています。

そのモルドバ東部にあるのが、親ロシア派が支配する地域、トランスニストリアです。NNNのカメラは、緊迫している地域に向かいました。

記者
「境界ですね。ポイントが設けられています」

「銃を持った兵士の姿が見えます」

トランスニストリアはモルドバ国内です。しかし、この地域は“ロシア”であふれていました。旧ソ連の支配の象徴でもあるレーニン像、道路にはたくさんのロシア国旗、さらに、トランスニストリアにある、最大の4つ星ホテル、名前は「ロシア」と書かれていました。

モルドバから一方的に独立を宣言した、親ロシア派の地域であるトランスニストリアでは、先月下旬、電波塔が破壊されました。ただ、ロシアや親ロシア派による、自作自演との見方もあります。

ロシアによる今回のウクライナ侵攻は、親ロシア派地域の保護を目的に始まったため、モルドバでは「電波塔破壊などの事件をきっかけに、ロシア軍が介入するのでは」と緊張が高まっているのです。

トランスニストリアと接するモルドバ・プルタの住民に話を聞くと、「もちろん心配しています。でも、どこに行けばいいの。ここで私は働いて生活しているのに」と不安を口にしました。

別の男性も、「ロシアはいま、(モルドバ侵攻の)理由を探してる。そのタイミングが5月9日かもしれない」と話しました。

今月9日の「戦勝記念日」は、ロシアにとって重要な祝日です。改めてリハーサルを行う様子も公開されました。この日にロシアがどのような行動に出るのか注目されています。