中国の建国記念日に当たる「国慶節」の大型連休が、29日からスタートしました。今年は延べ20億人以上の大移動が予想されています。人気の海外旅行の目的地はどこなのか。処理水放出の影響が懸念されていましたが、外国の人気旅行先の1位は「日本」でした。一方、日本に次ぐ人気の旅行先とされたのが、“ほほえみの国”タイです。

　　　◇

揺らめく国旗と道路を埋める人だかり。中国・上海にある人気観光地「豫園」です。美しい池を望める庭園は、前に進むのもやっとなほど混雑していました。

中国の建国記念日に当たる「国慶節」の大型連休が、29日からスタートしました。中国国内はすでに大賑わいとなっていました。

中国人
「中国の壮大な景色をまだ満喫していないので」

ゼロコロナ政策が終わり初めて迎えた国慶節。この大型連休では、延べ20億人以上の大移動が予想されています。

　　　◇

国内旅行もさることながら、海外旅行も人気です。空港は入り口の前まで行列ができていて、抜けるだけでも一苦労。空港の中にも行列ができていて、記者は思わず「これ、チェックインだけでどれだけ待つんでしょう…」と漏らしていました。

それでも旅行のわくわく感に勝るものなし。首元に枕をつけ、すでに準備万全な人もいました。

では“旅の目的地”はどこなのか。

日本へ行く中国人
「（大分の）湯布院に行きます。有名な列車に乗り、風景を見に行きたい」

日本へ行く中国人
「今回行くのは東京に名古屋、箱根です」

処理水放出の影響が懸念されていましたが、日本人気は健在でした。中国の検索大手「百度」などの予測でも、外国の人気旅行先の1位に「日本」が輝いたということです。

日本へ行く中国人
「（日本は処理水の）監視をしているので、数値が高いときは国際社会に伝えると思う」

　　　◇

日本の“空の玄関口”羽田空港ではさっそく、中国からの旅行者が続々と到着していました。

記者
「中国からの観光客でしょうか、手を振っています。たくさんのキャリーケースを持っています」

上海からの観光客
「1､2か月前に予定を立てました。しばらく外国に行ってなかったので、まずは日本を選びました」

観光地、東京・浅草でも少しずつ、中国人観光客がやってきているようです。

上海からの観光客
「国慶節なので日本へ旅行にきました。日本は美しくてきれいな国で、上海によく似ています」

東京・浅草の仲見世商店街にある土産物店では、国慶節にあわせて商品の仕入れ数を増加しました。しかし――

仲見世わらびや　尾島弘治さん
「（中国人観光客が）もうちょっといらっしゃるかなと思っていたのも事実。そこまで増えていないかな」

今のところ実感は薄い様子でした。これからの来客に期待を寄せていました。

仲見世わらびや　尾島弘治さん
「全部、完売できるように来ていただけるとありがたい」

　　　◇

一方、日本に次ぐ人気の旅行先とされたのが、“ほほえみの国”タイです。バンコクの寺院などに中国人観光客が訪れています。

中国からの観光客
「文化が異なり、建築物もたくさんあって。中国の伝統的な文化とは違います」

中国人の姿は、タイの伝統衣装を貸すお店にもありました。店内は多くの中国人客で賑わっていました。タイの伝統衣装に身を包み、寺院巡りをする旅行者が多くいるようです。

実際に観光名所には、伝統衣装で記念撮影をする人がいました。

中国からの観光客
「この前、ビザなしでタイに行ける政策を知って便利と思った」

中国からの観光客
「友達もビザなしだからタイへ旅行したいみたい」

国慶節に合わせて中国人観光客の入国ビザを一時的に免除したことが人気につながっているようです。

大移動が始まった国慶節の大型連休は、10月6日までです。