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ロシア大統領選、支持広げた「反戦候補」を認めず “常とう手段”か…専門家「プーチン氏の思うように結果を調整することも」

2024年2月9日 9:36
ロシア大統領選、支持広げた「反戦候補」を認めず “常とう手段”か…専門家「プーチン氏の思うように結果を調整することも」

3月に開票されるロシアの大統領選挙を巡り、唯一「侵攻反対」を掲げていたナジェージュジンさんについて、選挙管理委員会が立候補を認めないと発表しました。専門家によると、選管はプーチン政権と密接な関係です。ウクライナ侵攻への影響を考えます。

■勢いのあった立候補予定者に何が?

有働由美子キャスター
「集合住宅から炎と黒煙が上がるのは、ウクライナの首都キーウです。7日も複数の都市でロシア軍による大規模な攻撃があり、少なくとも5人が死亡しています。ウクライナ侵攻に終わりが見えない中、3月17日に開票されるのがロシアの大統領選挙です」

「プーチン大統領と戦う立候補予定者として唯一『侵攻反対』を掲げていたのがナジェージュジンさん。野党の公認を受け、ロシア軍に動員された兵士の家族らから支持されています」

「候補者の登録に必要な10万人分の署名を集め、あるインターネット調査では支持率約32%(プーチン大統領は約58%)と勢いを見せていましたが、日本時間8日夜、選挙管理委員会が立候補を認めないと発表しました。何が起きているのでしょうか?」

■プーチン大統領の目標得票率は80%か

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「選挙管理委員会は、集めた署名の中に既に亡くなっていた人の名前があるなど、不備があったと主張しています。ただ、その後会見を開いたナジェージュジンさんは、短期間で正確なチェックはできないだろうとして、『最高裁に訴える』と怒りの声を上げています」

「前回の大統領選でのプーチン大統領の得票率は約77%。今回、ウクライナ侵攻を続ける支持を得たとアピールするためには、プーチン大統領は前回よりも多い80%の得票率を目標にしているだろうとみられています」

「それだけに、インターネット調査とはいえ、約 32%もの支持を集めているナジェージュジンさんが目障りな存在になってきたのは確かなようです」

■女性ジャーナリストの届け出も却下

有働キャスター
「何か裏があるのではないか、と思ってしまいますが…」

小栗委員長
「防衛省防衛研究所の兵頭慎治研究幹事は、こうした動きはプーチン政権の常とう手段だと指摘します。ナジェージュジンさんの前にも、反戦を掲げる女性のジャーナリストが立候補を届け出ていましたが、同じように書類の不備を理由に却下されました」

「また、プーチン大統領が選挙管理委員会の委員長の仕事ぶりを褒めたたえ、勲章を与えた場面がありました。兵頭さんによると、公正中立なはずの選管とプーチン政権は密接な関係にあり、選挙結果をプーチン大統領の思うように調整することもあり得るといいます」

■再選なら…ウクライナ侵攻への影響は

有働キャスター
「プーチン大統領の再選が確実視されている中で、ウクライナ侵攻への影響はどう考えたらいいでしょうか?」

小栗委員長
「兵頭さんは『侵攻は変わらず続いていく。ただ、長期化した場合は潜在的な反戦の機運が拡大していく可能性があり、それをプーチン大統領はかなり警戒している』と話します」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「選管の現状は、この時代にあり得ないなと思いました。仮に不備があったとしても、反戦を訴える人に対してこれだけの署名が集まったのは事実だと思うので、良いことだと思います。このように勇気を持って署名した人に、他の人がもっと続いてほしいです」

有働キャスター
「2月24日で、ロシアによるウクライナへの侵攻が始まってもう2年になります。ウクライナ市民の皆さんのことを考えると、とにかくこの戦いをプーチン大統領の思惑通り、得になるような終わり方をさせてはいけません」

「(日本)政府は2月19日に、ウクライナの経済復興推進会議を日本で開催します。しっかり支え続ける決意と覚悟を、世界に示してほしいと思います」

(2月8日『news zero』より)