緊迫のガザ地区へ 続く“報復” 悲劇の連鎖 大規模「地上侵攻」が迫る…【バンキシャ!】
パレスチナ自治区ガザへの「地上侵攻」を予告するイスラエル軍。「広範な攻撃計画を準備している」としていて緊張が高まっている。侵攻に踏み切れば、甚大な被害の恐れが…。ガザでいま何が起きようとしているのか?【バンキシャ!】
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パレスチナ自治区のガザ地区。倒壊した建物から遺体が運び出されていく。15日朝、イスラム組織ハマスが実効支配するこの地区に、イスラエル軍によって“報復の空爆” が続けられていた。14日、ガザ地区にある病院には、ケガをした子どもたちの姿があった。
医者
「早く中へ連れて行け!」
これまでにガザ地区の死者は2329人。ハマスはSNSで「この1週間で500人近い子どもが命を落とした」と主張している。イスラエルによる“報復”のきっかけとなったハマスの奇襲攻撃から、15日で9日目。14日、イスラエル側では少なくとも1300人が亡くなるなど被害が広がっている。
14日公開のイスラエル軍のSNSによると、「陸海空からの複合的な攻撃を含む、広範な攻撃計画の準備を進めている」と発表。「重要な地上作戦に重点を置き次の段階に備え準備態勢を強化している」とした。
イスラエルのネタニヤフ首相は14日、イスラエル南部の前線を視察した。
ネタニヤフ首相
「準備はいいか?準備はできたか?みんないけるか?」
首相と握手する兵士たち
「はい」
大規模な地上侵攻にいつ踏みきるのか――。ガザ地区では緊迫した状況が続くなか、世界でも動きが。13日、アメリカ・ニューヨークで開かれたのは、パレスチナ系の人々による大規模な抗議集会だ。
デモ参加者の男性
「アメリカにもパレスチナを支援する人々がいます」
パレスチナ系の人々が声をあげるその向かい側には、イスラエル系の人々が。小競り合いが発生し、市当局によると少なくとも2人が逮捕されたという。
イギリス・ロンドンでは15日、パレスチナを支持するデモに数千人が参加した。
ガザ地区はいま、どういう状況なのか――。バンキシャは14日、ガザ地区に住むパレスチナ人のジャーナリストに話を聞いた。
ガザ地区に住むパレスチナ人ジャーナリスト
「5分前に近くにある4階建てのビルが空爆されて多くの人が死にました。 7歳の子供だけが生き残りました。燃料・水・食べ物・医療品など、人道的な物が何も手に入らない状況です」
そして、緊張が高まっているイスラエル軍の地上侵攻について――。
ガザ在住のパレスチナ人ジャーナリスト
「ガザ地区に地上侵攻があった場合、数万人が死に、数万人がケガをして、医療も崩壊するでしょう。正直どうなるか予測もできないです」
迫るガザ地区への地上侵攻。そのガザ地区には、ハマスによりイスラエルから連れ去られた多くの人質がいる。被害者の家族らは、一刻も早い救出を訴えていた。
イスラエル側 娘を人質にとられた女性
「娘がどこにいるかも、彼らが娘に何をしているかも、わからないんです。人質が全員帰ることだけを願っています。娘を取り戻したいんです」と訴えた。
さらに、バンキシャが話を聞くことができたのは、家族ら11人が人質になっているというイスラエル人の女性。家族らが住んでいたのは、ガザ地区に近い場所だという。
家族ら11人が人質の女性
「数日前までは11人が人質でしたが、ひとりが亡くなっていたことがわかりました。ほかの家族は生きていると信じたいです。家族のためになることは全て、救い出すためのこと全てを望んでいます。心はボロボロです。家族たちの半分がいなくなってしまいました」と悲痛な想いを語った。
イスラエル軍兵士(男性)
「このリビングで、燃やされた8人の赤ちゃんの遺体を発見しました」
BBCによると、イスラエル・ベエリではおよそ100人が殺害され、多くの住民が連れさられたと、生存者が証言しているという。
14日、衝突でパレスチナ・イスラエル双方の民間人の犠牲者が増え続けるなか、パレスチナ自治区で避難を余儀なくされている女の子は――。
女の子
「夜になるとパパの隣で寝ます。空爆などから隠れるところはありません」
そして、こう語った――。
女の子
「私たちを守る人もいません。私たちを助ける人もいません。どうやって生きればいいですか?どうすればいいか教えてください。私たちの人生は恐怖まみれです」
そう言って、泣き崩れた。
*10月15日放送『真相報道バンキシャ!』より