×

NPT再検討会議開始、核不拡散強化が焦点

2010年5月4日 1:36
NPT再検討会議開始、核不拡散強化が焦点

 アメリカ・ニューヨークで3日、5年に一度開催される核拡散防止条約(NPT)の再検討会議が始まった。核軍縮や核の不拡散などについて、28日まで議論が続けられる。イランには核開発疑惑が持たれているほか、北朝鮮はNPTからの脱退を表明しており、NPT体制は危機的な状況となっている。

 今回の最大の焦点は、NPT体制の強化に向けた合意を文書にとりまとめることができるかどうかだ。核軍縮に消極的だったブッシュ政権時代の前回は何の成果も出せず、失敗に終わった。それだけに「核のない世界」を目指すオバマ政権の下で行われる今回は、成功への期待も大きい。

 しかし、イランの存在が台風の目となりそうだ。ほかの国がほとんど閣僚級という中、イランはアハマディネジャド大統領自らが乗り込み、原子力の平和利用は正当な権利だと訴えて、制裁の圧力を強めるアメリカをけん制する構え。イランに同調する国が出てくれば、会議が紛糾する可能性がある。

 唯一の被爆国の日本は、当初名前が挙がっていた鳩山首相や岡田外相は結局出席せず、福山外務副大臣が参加しているが、存在感が薄い印象は否めない。日本にとっては、前回の会議の後、2度も核実験を行った北朝鮮に対して有効な対応策を打ち出せるかどうかも焦点となっている。