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タイ総選挙 野党が政権奪還の可能性高まる

2011年7月3日 23:36

 3日に投票が行われたタイの総選挙は、即日開票の結果、事実上の国外追放となっているタクシン元首相を支持する野党が過半数の議席を獲得して政権を奪還する可能性が高まり、与党・アピシット首相は敗北を認めた。

 投票は日本時間3日午後5時に締め切られ、開票作業が行われている。地元メディアの開票速報によると、タクシン元首相の妹・インラック氏を首相候補に据えた最大野党「タイ貢献党」は、定数500議席のうち250議席を上回る見込み。対する与党は、約160議席にとどまるものとみられる。

 アピシット首相は日本時間3日午後9時半過ぎ、「貢献党が勝利するだろう。我々は野党となる準備はできている」と敗北を認めた。

 これを受けて、タイで女性として初の首相に就任する可能性が高まったインラック氏は日本時間3日午後10時前に会見し、「タイの人々から、彼らのために働く機会を与えてもらった」と、慎重な言い回しながら事実上の勝利宣言を行った。

 タイでは、06年に当時のタクシン首相が軍のクーデターで追放されて以来、タクシン支持派と反タクシン派の間で深刻な対立が続いている。インラック氏は亡命状態となっているタクシン元首相の恩赦、帰国の道を模索するものとみられ、再び混乱が起きる可能性もある。