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タイ総選挙 タクシン派が政権奪還へ

2011年7月4日 2:46

 政治的混乱が続くタイで3日、総選挙が行われた。事実上の国外追放となっているタクシン元首相を支持する野党が過半数を制し、政権を奪い返す見通しとなった。タクシン元首相は復権への足がかりをつかんだことになる。

 地元メディアの予測によると、最大野党でタクシン派の「タイ貢献党」は500議席中260議席前後を獲得する見込み。タイ貢献党は、タクシン元首相の妹・インラック氏を首相候補に据え、タクシン色を前面に出すことで、終始、選挙戦を優位に進めた。

 これに対し、アピシット首相率いる与党は実行力不足などを批判され、苦戦を強いられた。

 アピシット首相「負けを認め、タイ貢献党には『おめでとう』と言いたい」

 インラック氏「タイの人々を失望させないため、私たちは全力で仕事をします」

 タイでは06年のクーデターでタクシン元首相が追放されて以来、深刻な政治対立からデモ隊と治安部隊が衝突するなど、大きな混乱が起きてきた。

 タイで女性として初めて首相の座に就く公算が大きくなっているインラック氏は、タクシン元首相の恩赦と帰国を模索するものとみられる。タクシン元首相は「ぜひ帰国したいが、タイミングを計りたい」と述べている。タクシン元首相が帰国すれば反タクシン派の反発を招くことは必至で、タイの社会が再び混乱に陥るおそれも指摘されている。