女児ひき逃げ、通行人らは“見ぬふり”中国
中国・広東省で13日、2歳の女児が車にひき逃げされた。17日夜、中国のテレビ局がそのもようが映された監視カメラの映像を放送、倒れた女児のそばを通りすがる人々が、女児を助けようとせず、そのまま立ち去っていく姿を伝えた。この映像を見た人々から、立ち去った人らに対して批判の声が上がっている。
女児は13日、広東省仏山の細い通りを歩いていたところ、前方から来たワゴン車と衝突して倒れた。監視カメラの映像には当時の様子が映されていた。ワゴン車は一旦停止したが、運転手は車から降りることなく、そのまま走り去っていった。また、女児のそばを何人もの人が通りかかるが、誰も助けようせず、そのまま立ち去っていく。その後、女児はさらに別のトラックにも足をひかれた。女児はこの後、病院に搬送されたが、意識不明の重体。中国メディアは計18人が何もしなかったと伝えている。
ワゴン車の運転手は「誰もいなかったので、スピードを上げて逃げました。もし捕まったら刑務所行きですから」と話している。
この映像が放送されると、中国国内では、運転手だけでなく、立ち去った人に対してもインターネットなどで批判する声が相次いだ。中国共産党の機関紙は「社会が荒廃し、道徳の水準が下がっている」と嘆いている。
中国ではこれまで、路上で倒れている人を助けた人が加害者と間違えられたケースがあり、中国メディアはこうしたことが背景にあると分析している。