ウクライナ軍“複数の村を奪還” 首都近郊で攻勢に転じたか
ウクライナ侵攻をめぐり、イギリスの国防省はロシア軍が首都キーウ近郊から後退する動きを見せるなか、ウクライナ軍が攻勢に転じ、複数の村を奪還する動きがみられると明らかにしました。
イギリスの国防省は2日、首都キーウ近郊でウクライナ軍が前進を続けていて、キーウの東側にあるいくつかの村を奪還したなどする分析を明らかにしました。
また、ロシアの侵攻開始直後から戦闘が続いていたキーウ近郊の国際空港からもロシア軍が撤退したとの情報があると指摘しています。
さらに、第2の都市ハルキウでも、激しい戦闘の末、ウクライナ軍が重要なルートを確保したとしています。
ウクライナの国営通信は、ウクライナ軍がキーウ北方の村も取り戻したと伝えています。
ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア軍について、「北部ではゆっくりとだが確実に後退している」と述べる一方、東部で新たな攻撃を準備していると警戒感を示しています。
ゼレンスキー大統領「東部の状況は極めて困難だ。彼ら(ロシア軍)は新たな攻撃を準備しており、我々はこれまで以上に備えている」
また、ロシア軍が南部での攻勢も強めるなか、ウクライナ議会はSNSで、南部へルソン州のタウリーシク市の市長がロシア側に拉致されたと明らかにしました。侵攻開始以降、ロシア軍によるウクライナ当局の拉致が相次いでいます。
一方、ロシア軍に包囲された南東部のマリウポリでは、十数万人の住民が取り残されているとみられ、深刻な人道危機が続いています。
住民の避難を手助けするため、ICRC=赤十字国際委員会は1日、支援チームをマリウポリに向かわせていましたが、市内に入れず、引き返したと発表しました。「2日に再び試みる」としていますが、激しい戦闘が続く中で避難ルートを確保できるかが課題です。
ウクライナ側は、「ロシア側が住民避難に関する約束を履行していない」と非難しています。