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ゼレンスキー氏「東部の状況は極めて困難」新たな攻撃に警戒感

2022年4月2日 17:48

ウクライナではロシア軍が東部への攻勢をさらに強める準備をしているとして、警戒感が強まっています。こうした中、ロシア軍の包囲が続く南東部のマリウポリでは、赤十字国際委員会が1日、住民の避難支援を目指したものの、スタッフが市内に入れずに断念したと明らかにしました。

先月31日、ウクライナの首都・キーウ近郊にある国際空港を撮影した衛星画像は、先月21日の画像と比較すると、軍用車両などがなくなっているのがわかります。また、ドローンで撮影された映像からは、航空機の格納庫などが大きく損傷しているのが確認できます。この空港は侵攻直後にロシア軍に占拠されていて、その後、ウクライナ軍とロシア軍との間で激しい戦闘が続いていました。

ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア軍について、「北部ではゆっくりとだが確実に後退している」と述べる一方、東部で新たな攻撃を準備していると警戒感を示しました。

ゼレンスキー大統領「東部の状況は極めて困難だ。彼ら(ロシア軍)は新たな攻撃を準備しており、我々はこれまで以上に備えている」

アメリカの政策研究機関・戦争研究所は1日、ロシア軍が作戦の新たな段階を開始し、南東部のマリウポリをはじめ東部・ドネツク州とルハンシク州全域の占領を目指していると分析しています。

そのマリウポリには、いまだ多くの市民が取り残されていて、赤十字国際委員会は1日、バスや自家用車などでの住民の避難を支援するため、チームを向かわせていましたが、市内に入れず引き返したと発表しました。「2日に再び試みる」としています。

ウクライナ側は、「ロシア側が住民避難に関する約束を履行していない」と非難しています。