白人家族写真に「本当の市民を表していない」と説明文、英国ロンドン市長HPに掲載 「人種差別では」と批判の声
イギリス・ロンドンの市長のホームページに掲載された白人家族の写真に「本当のロンドン市民を表していない」とする説明文がついていたことが分かり、「人種差別ではないか」と批判の声が上がっています。
ロンドンの市長は2016年から、パキスタンからの移民の父を持つイスラム教徒のサディク・カーン氏が務めています。複数のイギリスメディアによりますと、ロンドン市長のホームページに“白人家族の写真”が掲載され、「本当のロンドン市民を表していない」とする説明文がつけられていたことが分かりました。
写真と説明文が掲載されていたのは、ロンドン市長とロンドン市のイメージ戦略に関する公式資料で、一緒に掲載された“ロンドン市長と黒人やアジア系とみられる市民らが一緒に写っている写真”には「リアルで多様なロンドン」だとして推奨する説明文がつけられていたということです。
イギリスメディアの取材に対し、ロンドン市側は「写真の説明文は職員が誤って付け加えたもので、ロンドン市長や市当局の見解を反映したものではない」と説明し、現在はホームページ上で当該の資料が閲覧できなくなっています。
こうした事態に、イギリスの国会議員などが「人種による分断を助長する考え方だ」と批判しているほか、インターネット上でも「人種差別ではないか」と非難する声が上がっています。
2021年の国勢調査では、ロンドンの人口のうち、白人はおよそ53%、黒人やアジア系のほかミックスルーツの人らがおよそ46%となっていて、人種の多様化が進んでいます。