「USスチール」株主総会で日本製鉄による買収案を承認 買収完了に向け当局の審査が焦点
日本製鉄によるアメリカ鉄鋼大手「USスチール」の買収案が株主総会で承認されました。買収完了に向けては当局の審査が焦点となります。
日本製鉄によるUSスチールの買収案をめぐっては、鉄鋼業界の労働組合が反対する中、大統領選挙で労働組合の支持を得たいバイデン大統領とトランプ前大統領が買収に慎重な姿勢を示すなど、政治問題にも発展しています。
こうした中、12日に臨時の株主総会が開かれ、買収案は賛成多数で承認されました。最高経営責任者のブリット氏は「国内製鉄業界の競争力を高める最善の道だ」などとコメントしています。
今後は当局が国の安全保障の観点から審査することになっていて、買収の実現についてはまだ見通せない状況です。
日本製鉄の森高弘副会長は、「買収完了に向けた大きな一歩が踏み出されたことは、大変喜ばしい」「USスチールとともに、『総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカー』として前進することを楽しみにしている」とコメントしています。