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国王誕生日控え 首相府敷地内でのデモ容認

2013年12月4日 8:34

 反政府デモが続くタイでは3日、治安部隊が首相府の敷地内でのデモを容認した。タイの国王誕生日を前に一時的な沈静化を図ったとみられるが、デモ隊は活動を継続する方針。

 反政府のデモ隊は3日、首相府と首都圏警察本部でデモを行った。2か所とも治安部隊が連日、催涙ガスなどでデモ隊を排除、負傷者も出ていた。ところが、3日午後になって治安部隊はデモを平和的に行うことを条件に強制排除をやめた。

 この方針転換の背景には、国民の絶対的な支持を集めるプミポン国王の誕生日を5日に控え、流血の事態を避けたい考えがあるとみられる。しかし、デモを主導するステープ元副首相は、活動の継続を宣言した。インラック首相は、3日夕方、「デモ隊や学識経験者を招き議論で解決したい」とテレビ演説で話し合いの継続を訴えた。一連の反政府デモに関連して、既に250人以上の死傷者が出ているが、双方の妥協点は見えていない。