反政府デモが続くタイで来年予定されている総選挙の立候補受け付けが始まったが、反政府側が妨害工作を仕掛けた。

　来年２月の総選挙は２３日朝、立候補の受け付けが始まった。しかし、インラック首相の退陣を求める反政府側は、２２日夜から会場を取り囲んで妨害している。警察によると詰めかけた人数は、一時４０００人に上った。

　選挙管理委員会では会場に入れない政党の届け出を近くの警察署で臨時に受け付け、何とか選挙を成立させようとしているが、反政府側の行動は収まっていない。

　デモ隊は、選挙をやれば与党側が勝ち、インラック首相が再選されてしまうとみられるため、選挙を妨害しているとみられる。バンコクで大きな支持を受ける反政府デモだが、タイの人口の半数を抱える農村部では、逆に与党が圧倒的に支持されている。このため最大野党・民主党と反政府デモは、選挙をまともにやっても勝てないと考え、ボイコットや投票の妨害をもくろんでいる。タイの政治は解決の糸口すら見いだせない状況だ。