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汚職していない…インラック首相が失職

2014年5月7日 21:45

 タイのインラック首相が公務員の人事に不当に介入したとして、憲法違反にあたるかどうかが問われていた裁判で、タイの憲法裁判所は7日、首相の行為は違憲と判断、首相は失職した。

 この裁判は、インラック首相が2011年に親族を国家警察長官に任命し、反首相派の高官が更迭されたことが憲法が禁じる不当な人事介入にあたるかが問われていたもの。判決で憲法裁は、「インラック首相一族の政治的関心に基づき行われたもの」と述べ、インラック首相や一部の閣僚の行為が憲法違反にあたるという判断を示した。

 タイの憲法では、不当な介入と判断された場合、首相は自動的に失職することが定められており、インラック首相は失職した。

 インラック首相「誠実に政権運営してきたし、汚職はしていません」

 インラック首相は会見で、判決への直接的な言及は避けたが、任期中に汚職はしていないと強調した。インラック首相の後任となる暫定首相にはニワットタムロン副首相の就任が決まったが、インラック氏を支持するグループによる抗議デモも予定されていて、混乱が拡大することは避けられない見通し。