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中国 成長率目標11年ぶり低水準に

2015年3月5日 16:15

 5日、中国の国会にあたる全人代(=全国人民代表大会)が開幕し、中国政府は今年の経済成長率目標を引き下げ、11年ぶりに7.0%前後と低い水準に設定した。

 李克強首相は、今年の政権運営の方針を示す「政府活動報告」の中で、今年の経済成長率の目標を去年の7.5%から7.0%前後に引き下げると表明した。中国としては11年ぶりの低い水準。

 李首相はこれまでの「成長優先」から、国有企業や行政の改革を進め「成長の質や効率を向上させる」姿勢を明確にした。

 李首相「体制・仕組み上の弊害と構造的な矛盾が“行く手を阻む虎”と化しており、改革の深化と構造調整を行わなければ、安定した健全な発展は達成しがたい」

 李首相は、「一部の腐敗問題が目に余るほど深刻だ」と厳しく指摘し、習近平政権が取り組む腐敗撲滅を引き続き進める決意を示した。

 また、戦後70年を迎える今年、日本との戦争の勝利を記念する行事を開催すると述べ、「国際社会とともに第二次大戦の勝利の成果と世界の正義を守る」と表明した。安倍首相の談話を発表する日本をけん制する狙いもあるとみられる。