ＥＵ（＝ヨーロッパ連合）・トゥスク大統領は１９日、ギリシャへの支援策を話し合う緊急の首脳会議を前にビデオ声明を出し、ＥＵが求める条件をのむようギリシャ側に強く求めた。

　財政難のギリシャが借金を返せない「債務不履行」の状態に陥るのではないかとの懸念が高まる中、ユーロ圏の各国は今月２２日に緊急の首脳会議を開き追加支援について協議する予定。

　会議を招集したＥＵ・トゥスク大統領は１９日、ビデオで声明を発表し、年金の削減などＥＵ側が追加支援の前提条件とする緊縮策を受け入れるよう、ギリシャに求めた。

　ＥＵ・トゥスク大統領「ギリシャ政府は我々の提案をのむか、債務不履行に向かうか、選ばなければならない段階まで近づいている」

　一方、ロイター通信によると、ギリシャのチプラス首相は１９日、訪問先のロシアでの講演で「緊縮財政は景気低迷を悪化させるものだ」などと述べた。チプラス首相は年金の削減を「譲れない一線」として拒否し続けており、首脳会議での調整は難航も予想される。