出生数「100万人」減――中国の人口、61年ぶり減少 晩婚化、価値観の変化…背景に「日本がたどってきた道」 日本経済は?
世界一位を誇ってきた中国の人口が、61年ぶりに減少しました。2015年に廃止された一人っ子政策の影響もあるとみられ、去年の出生数は前年から100万人減りました。輸出入で関係が深い日本経済にも、消費の伸び悩みなどで影響を及ぼす可能性があります。
■人口世界一の中国で…85万人減少
有働由美子キャスター
「増え続けてきた中国の人口が、61年ぶりに減ったといいます。中国政府は、去年末の中国本土の人口が推計で14億1175万人になり、前の年から85万人減少したと発表しました」
「人口ランキング世界1位だった中国が、ついに今年インドに抜かれると言われていますが、日本にはどう影響してくるのでしょうか?」
■出生数「100万人減」にある背景は?
小野高弘・日本テレビ解説委員
「中国といえば一人っ子政策で、30年以上、1組の夫婦に子どもは1人と制限されてきました。廃止されて7年経っていますが、この影響もあるとみられています」
有働キャスター
「これだけ後になって大きく影響が出てくるということですね」
小野委員
「今さらに深刻なのは、1年間に生まれた子どもの数です。一昨年は1062万人でしたが去年は956万人で、100万人減りました」
有働キャスター
「日本で年間生まれる人数が80万人程度ですから、100万人減るというのは本当に大きいですよね」
小野委員
「中国の経済誌が理由を分析しています。晩婚化が進んでいる、結婚を望まない人が増えている、出産を望まない人も増えている、都市化が進んで出生率が下がっているという理由を挙げています」
有働キャスター
「これは、日本がたどってきた道と同じ道です。このペースで人口が減っていくと、隣国の日本にも影響が出てきますよね」
■中国経済「縮小」で日本経済は?
小野委員
「まず、中国経済がしぼむ可能性があります。大和証券のチーフエコノミスト、末廣徹さんは『中国では高齢化が進んでいるのに、年金など社会保障の整備が遅れている。将来不安から慎重になり、消費が伸び悩む可能性がある』と指摘しています」
「さらに末廣さんは『日本での爆買いが減るかもしれない。中国から日本へのインバウンドも中長期的には望めなくなる。労働力を確保したい日本企業はこれまで中国を見ていましたが、インドなどへの転換も加速するのではないか』と話しています」