台湾総統選13日に投開票…中国との適切な距離感とは?大きな争点に
台湾の次のリーダーを選ぶ総統選挙が、今月13日に行われます。台湾との統一を掲げ揺さぶりをかける中国との関係が大きな争点となっています。
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先月21日、中国・上海の空港。中国の航空会社では、台湾出身の人を対象とした割引キャンペーンが始まっていて、投票のため帰省する人の姿も見られました。
投票のため台湾に戻る人「現状維持がいい」
投票のため台湾に戻る人「いまの政治はうまくいっていない。若者は大変な思いをしている」
今月13日に投開票を迎える台湾総統選挙は、中国との関係が大きな争点となっています。
アメリカとの関係を重視して中国と距離を置く与党・民進党の頼清徳氏がリードしていますが、対話を通じて中国との緊張緩和を訴える最大野党・国民党の侯友宜氏との差はわずかで、この二大政党を批判し、「米中対立のかけ橋」を掲げる、第3政党・民衆党の柯文哲氏が追っています。
頼氏に対抗するため一時、野党候補一本化で合意しましたが、「誰を総統候補とするか」で決裂して以降、柯氏が支持率を下げました。
頼氏と侯氏の陣営は、柯氏支持から離れた若者の取り込みを狙います。頼氏が高騰する住宅価格対策で、公共住宅の建設を推進すると訴える一方、侯氏はラップ調の動画を公開して、若者が低賃金に苦しんでいると現政権を批判しています。
――ラップ調PR動画
「若者の夢が壊される 6万人の大学生は 出前(のバイト)に行 ってしまった」
こうした中、「台湾統一」を掲げる中国は、台湾産高級魚の禁輸措置を「国民党からの求め」で解除するなど、政権交代を狙い国民党の側面支援を強めています。若者の一人は、適切な「距離感」を保てるか不安があると話します。
台湾の有権者(30)
「中国との(経済的な)関係は維持したいが依存はしたくない。台湾の民主と自由が好きだから」
有権者の望む「台湾のあり方」を示せるか、最終盤まで激しい論戦が続いています。