「パーティーゲート」疑惑 英ジョンソン首相のワケ

新型コロナのロックダウン中に首相官邸などで繰り返しパーティーが開かれていた問題で、イギリスのジョンソン首相が謝罪。さらに側近が相次いで辞任。2022年2月10日放送の『深層NEWS』ではイギリス政治に詳しい慶応大学准教授の鶴岡路人(つるおか・みちと)さん、イギリス在住のジャーナリスト小林恭子(こばやし・ぎんこ)さんをゲストに「パーティーゲート」疑惑の問題点やジョンソン首相がこの窮地をどう乗り越えるのかを議論しました。
■英国民が怒る「パーティーゲート」疑惑とは
右松健太キャスター
「去年12月のミラー紙をきっかけに一気に『パーティーゲート』が報じられてきた。連日の報道によって国民感情はどのように変化?」
小林恭子氏
「最初の頃は1回ぐらいということで、政治家がロックダウンの規則を無視して集まっているということもありましたが、去年からずっと続いてますので国民の怒りがかなり高まっている感じです。自分たちに規則を守りなさいと言っておいて自分たちは守っていなかった。二重基準ですよね」
右松キャスター
「イギリスの警察もコロナ対策の規制に違反した疑いで捜査を開始している」
鶴岡路人氏
「ロックダウン自体が法律に基づくものなので、ロックダウンの規則に反すると犯罪ということになるわけです。ただ犯罪といっても、基本的には罰金なんです」
「ただこの問題は、一般市民とは違って首相が、しかも官邸でパーティーをやって罰金払って政治的責任に終わりですかと。まさにここが問われるんだと思います」
■「英官邸で飲み過ぎ!?」
右松キャスター
「英政府は先月、内部調査の報告書を公表。報告書では首相官邸などで10件以上のパーティーが開かれたとしている。この全てにジョンソン首相が参加していたかは明らかになっていないが、官邸ではそもそもパーティーは常態化していたのか?」
鶴岡氏
「イギリスの会社や組織って、意外とオフィスでパーティーをやるんですよね。特にクリスマスパーティーみたいなのは、会社の施設や会議室を使って、みんなでサンタの帽子かぶったりして。ですからその意味では別に首相官邸が平時であれば、別に社会的には特に問題ではないわけですが、ロックダウン中だったということです」
「報告書ではアルコールの消費が多すぎたっていう話をしてるんです。職場でアルコール飲んだのはけしからんという話ではなくて、飲み過ぎがいかんと」
「プロフェッショナルな場にあるべき職場で、アルコールの消費についての明確なルールをしっかり作った方が良いというような話をしているのです」
飯塚恵子 読売新聞編集委員
「(首相官邸の)ここに中庭があり問題の飲酒やパーティーは(赤印)のテラスみたいな場所で行われていたのではと」
「(周辺に)高いビルがあって、ここ狙おうと思うと結構写真撮れるんですよね」