ガザ市主要病院が機能停止 イスラエル軍が“ハマスの司令部”として完全包囲
イスラエル軍がハマスの司令部があるとして完全包囲しているガザ市の主要病院が11日、燃料切れで電源を失い、機能を停止したとロイター通信などが伝えました。
ロイター通信などは11日、ガザ地区保健当局の話として、最大の医療機関であるシファ病院が、燃料切れで機能を停止したと伝えました。
すべての発電機が停止し、電源を失ったということで、保育器の乳児1人が死亡し、39人が危険な状態だということです。
シファ病院をめぐっては、イスラエル軍がハマスの司令部があると主張していて、11日早朝、軍が病院を完全に包囲したと伝えられていました。
病院周辺での戦闘も激化する中、イスラエル軍は正門を封鎖しており、人や車が出入りできない状況だということです。
病院の一部が攻撃を受けており、集中治療室に被害が出たほか、火災も発生しているということです。
病院内にとどまるジャーナリストは、「ある家族は病院の敷地から出ようとしたが、門を出たら全員が殺された」「激しい戦闘のため、誰も病院から出られない」としていて、シファ病院の院長も「患者は次々と死んでいる」「病院は世界と切り離され、死が差し迫っている」と訴えています。
病院の中には、数千人の患者や避難民が残されているということで、人道的な懸念が高まっています。
シファ病院には、10日早朝にも大規模な攻撃があり、少なくとも13人が死亡していますが、イスラエル側は、攻撃への関与を否定しています。