米の極秘文書公開 仏大統領の会話を盗聴か
内部告発サイト「ウィキリークス」は23日、アメリカの情報機関が、フランスの歴代大統領の会話を盗聴していたとする文書を公開した。
文書について「ウィキリークス」は、アメリカのNSA(=国家安全保障局)の極秘文書で、フランスのシラク元大統領から現在のオランド大統領までの過去10年間、大統領の電話などの会話を盗聴していたことを示すものだとしている。その中には、2012年5月にオランド大統領がギリシャのユーロ離脱を想定し、秘密の閣僚会議を開催するよう指示したことなどが含まれている。
「ウィキリークス」の創始者・アサンジ容疑者は声明の中で、「フランス国民は、自らが選んだ政府が同盟国を装った国に敵対的監視をされていることを知る権利がある」としている。アメリカは過去にもドイツのメルケル首相への盗聴疑惑が浮上し、同盟国の首脳の通信傍受を安全保障上の緊急事態を除いて行わない考えを明らかにしていた。
一方、今回の盗聴疑惑を受け、オランド大統領は24日、国防関係の会議を招集した。その後、フランス政府は声明を出し、「我々の安全保障や国益を犯すいかなる行為も許容しない」として、アメリカを強く批判した。