財務相は更迭 ギリシャ 国内体制固め進む
国民投票でEU(=ヨーロッパ連合)などが求める財政再建案に反対の民意が示されたギリシャで、チプラス首相は6日、国内の体制固めを進めた。支援再開を求めるため、EU側に示す提案について野党からも支持を取り付けた。
チプラス首相は各党の党首と会談し、7日のユーロ圏首脳会議などでEU側に示す提案について説明した。債務の元本削減や返済の先延ばしなどを求めることを説明したとみられ、主要な野党からも支持を取りつけたという。チプラス首相はさらに、強硬な交渉姿勢でEU側から批判されていたバルファキス財務相を更迭、EU側に配慮する姿勢を見せた。
こうした中、ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領が6日、フランス・パリで緊急に会談した。メルケル首相は「交渉のドアは開いている」とギリシャ側に配慮を見せる一方、「ギリシャがどのように再び成長し、豊かになるか。中期的な対応策と細かいプログラムを提案すべき」と注文も付けた。
国民投票で示された民意を基にまずは国内を固めた形のチプラス首相だが、EUなどが提案をすんなり受け入れる可能性は低く、債務不履行(=デフォルト)が懸念される中、早期の合意に近づけるかは不透明。