ギリシャ支援再開へ ユーロ圏離脱当面回避
財政危機に陥ったギリシャをめぐり、ユーロ圏の首脳は13日、金融支援の再開について条件付きで合意した。ギリシャのユーロ圏離脱は、当面回避されることになりそうだ。現地から渡辺祐史記者が報告する。
首脳会議はベルギー・ブリュッセルで17時間にわたって行われ、ギリシャへの金融支援を再開する手続きを始めることで合意した。支援の総額は、3年間で最大11兆7000億円に上るとみられている。
しかし、ギリシャは支援を受ける条件として、年金制度の見直しや増税などについて7月15日までに法制化しなければならない。最大の支援国・ドイツなどが、改革の確実な実行のための“担保”を求めたため。
ドイツ・メルケル首相「ギリシャとの信頼が揺らいだが、合意に達することができた」
一連の交渉の中でチプラス政権に対するドイツの不信感は根深く、会議ではユーロ圏から一時離脱させる案まで突きつけた。ギリシャは、債務の返済時期の先送りを検討することなど、(EU=ヨーロッパ連合)側から一定の譲歩を引き出したものの、国有資産を売却して借金の返済に充てるという一貫して抵抗してきた条件ものまざるを得なかった。
ギリシャ・チプラス首相「合意内容を履行するのは、国民にとって厳しいものとなるだろう」
ユーロ圏離脱という最悪のシナリオは当面回避されそうだが、ギリシャの巨額の負債が減ったわけではない。財政再建を実行に移し信頼を取り戻せるか、チプラス政権はこれまで以上の難題に取り組むことになる。