大爆発、宇宙からも観測…日系企業にも被害
中国・天津で起きた爆発事故では、夜になっても犠牲者が増え続けている。現場は危険物を保管する倉庫。これまでに50人が死亡、701人がケガをしている。なぜ被害が広がったのか、爆発の瞬間映像から分かったこととは-。
【大爆発、宇宙からも確認】
爆発が起きたのは現地時間の12日午後11半ごろ。現場から2キロ以上離れた場所で撮影されたとみられる映像には、爆発の様子とともに、その7秒後、衝撃波が撮影者のいる建物を揺るがす様子が記録されていた。
再び現場の方へカメラを向けると、高層ビルよりもはるかに高く、炎と煙が立ち上っていた。
爆発が起きたのは中国・天津市の港にある危険物を保管する倉庫で、爆発の瞬間、港では、大きなコンテナのようなものが一斉に吹き飛んでいるのが映像から分かる。
中国の地震局は、爆発に伴う揺れを2回観測。爆発の規模は、最大で高性能火薬21トン分に相当するものだったという。
その激しさは宇宙からも確認できた。
気象衛星ひまわり8号が撮影した画像には、爆発が起きた時間、天津市付近に白い煙のようなものが生じ、風にのって南西方向に広がっていく様子が映し出されていた。
【甚大な被害 死者50人】
病院は、次々とケガ人が運び込まれ、騒然としていた。
病院関係者「O型の血液は間に合っていますが、RHマイナスA型の血液が必要です」
天津市によると50人が死亡し、701人が負傷したという。
13日午後、現場近くにNNN取材班が入ると、そこにはまるで戦場のような光景が広がり、爆発から14時間以上がたった時点でも消火活動が続いていた。
中国メディアは、消防からの情報として、倉庫に保管されていた硝酸化合物が主な爆発物だった可能性があると伝えているが、詳しいことは分かっていない。
【日系企業にも被害】
現場近くにある工業地帯には、日系企業も数多く進出している。事故現場から3~4キロ離れた場所にあるトヨタ車の販売店では、ガラス扉がすべて壊れるなどの被害を受けた。
トヨタ自動車によると、現地の販売店で、従業員2人が切り傷などの軽傷を負ったという。
なぜこのような大爆発が起きたのか。警察は爆発した倉庫を管理していた会社の責任者を拘束して、詳しく調べている。