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余裕の雰囲気も…中国軍事パレード その狙いは?

2015年9月3日 17:34
余裕の雰囲気も…中国軍事パレード その狙いは?

 中国で3日、日本との戦争の勝利から70年を記念する大規模な軍事パレードが行われた。習近平国家主席は「勝利」を強調する一方で、兵力の削減も発表した。北京から中村光宏記者が報告する。

 「強い中国」の威信をかけた3日の軍事パレード。車に乗って兵士らを激励する習主席からは就任わずか3年で余裕の雰囲気さえ感じられた。

 軍事パレードには、ロシアや韓国、北朝鮮など31か国の首脳クラスや、国連の潘基文事務総長らが出席した。習主席は演説で、日本との戦争での勝利を強調する一方、平和発展の道を堅持すると述べた。習主席は「中国は永遠に覇権を唱えず、永遠に拡張せず、永遠に自らがかつて経験した悲惨な経験を他民族に加えない」と述べた。

 その上で、習主席は軍人の数をいまの230万人から30万人削減すると表明した。これまでの「量」から兵器などの「質」への転換を目指した形だが、中国の軍備拡張への懸念が示される中で、国際社会に対し、一定の配慮を示す狙いもあったものとみられる。

 中国が建国記念日以外で軍事パレードを行うのは初めてだった。これにはどういった狙いがあるのか。

 習主席の前の2代の指導者が軍事パレードを行ったのは10年の任期の後半だったが、習主席はまだ就任から3年しかたっていない。この間、権力内部から激しい反発も受けながら徹底した腐敗撲滅を進めてきた。

 習近平指導部としては、権力基盤が強固であることを内外にアピールするとともに、国民の愛国心を高め、国威発揚の絶好の機会だと位置づけているものとみられる。

 一方で、天津で起きた爆発事故や株価の急落などで依然として庶民の不満は根強く、引き続き難しいかじ取りが迫られているといえる。