続々と難民が到着 なぜドイツを目指すのか
内戦が続くシリアなどから難民や移民がヨーロッパに殺到している問題で、6日までに、1万2000人を超える難民らがドイツに到着した。定員を超える受け入れ施設も出ており、EU(=ヨーロッパ連合)全体での対応が急務となっている。
ドイツ南部のミュンヘンの駅には6日、ハンガリーからオーストリアを経由した難民らが、前日に続き、新たに6000人以上到着した。到着した難民らには、市民から寄付された衣類などが無償で提供されている。寄付しに来た市民は「難民を歓迎し、親しみをもって『心配いらない』と伝えたい」と話した。
難民らの多くがドイツを目指す背景には、豊かな経済に加え、充実した保護制度がある。難民申請をした人には、住まいや食事が無料で提供されるほか、生活費も支給される。この制度は、過去にユダヤ人の迫害によって多くの難民を出した苦い記憶などをもとに作られた。
5か月前に難民申請したというシリア出身の男性も、こうした制度を知ってドイツを目指したという。この男性は「月336ユーロ(約4万5000円)支給されている。渡航前から、テレビなどでドイツは良いと知っていた」と話した。
一方、ミュンヘン市内にある緊急用の宿泊施設は定員を超え、新たな受け入れ施設を探しながら対処している状況。ヨーロッパへの難民らの流入の勢いは収まる気配はなく、受け入れに消極的な国も依然多いなか、EU各国で結束して対処できるか正念場に立たされている。