利上げ見送りで一旦上昇もNY株65ドル安
17日のアメリカ・ニューヨーク株式市場は、利上げが見送られたことで一旦、株価は上昇したが、その後、値を下げるなど売り買いが交錯する展開となった。
17日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価は前の日の終値より65ドル21セント値を下げ1万6674ドル74セントで取引を終えた。一方、ハイテク株が中心のナスダック総合指数は4.71ポイント上がり4893.95だった。
アメリカの中央銀行にあたるFRB(=連邦準備制度理事会)はこの日、政策決定会合で焦点となっていた利上げを見送ることを決めた。声明では「アメリカの経済活動は緩やかに拡大している」としながらも「物価上昇率が目標の2%に届いていない」などとして事実上のゼロ金利の維持が妥当だとしている。また、イエレン議長は会見で中国の景気減速などへの懸念も踏まえての判断だったとした。
利上げが見送られた場合、景気の減速懸念が和らぎ株価は上昇するとみられていたが、この日は売り買いが交錯する展開となった。
岡三証券ニューヨーク事務所・坂下尚人副主任「利上げ時期が先送りされたことで一旦は株価は上昇したが、イエレン議長が10月の利上げの可能性にも言及したことから投資家の間には警戒が広がり、株価の下落につながった。今後の見通しとしてはしばらくは株価の上昇が続くとみられている」
一方、ニューヨーク外国為替市場の円相場は、利上げが見送られたことでわずかながら円が買われ円高・ドル安が進んだ。