“サイバー”は進展“南シナ海”は平行線
アメリカのオバマ大統領と中国の習近平国家主席が25日、ワシントンで首脳会談を行った。サイバー攻撃の問題では一定の進展があったものの、南シナ海の埋め立て問題などは平行線に終わった。
アメリカが「安全保障上の問題」として特に懸念するサイバー問題では、両政府が、企業秘密などを盗み取らないことや、閣僚級対話を今年中に始めることなどで合意した。ただ、オバマ大統領は会見でも、中国への不信感を隠さなかった。
オバマ大統領「私が習主席に言ってきたし、アメリカ国民にも言いたいのは、『発言に行動が伴うか』ということだ」
一方、南シナ海での埋め立てについては、習主席はこれまで通り正当性を主張した。
習主席「南シナ海の島は古代より中国の領土で、我々は自国の領土主権や正当な海洋権益を守る権利がある」
共同会見では2人に笑顔は見られず、友好的なムードの演出はホワイトハウスでの晩さん会が精いっぱいだった。飛行機を300機も購入するなど、経済の分野では大国ぶりをアピールした中国。ただ、政治や安全保障分野での懸案の多くは残されたままで、今後も両国は決定的な衝突を避けながら、つばぜり合いを続けることになる。